第1章 犯人は僕です?いいえ、犯人は私です。【コテージ編】
ミドリの部屋を出た後、もう一度バルコニーに行くとまだアカイがいた。
「んー…やっぱり気のせいだよな。俺、疲れてんのかな」
「どうしたの?」
「あぁ…なんでもないよ」
「そう言われると気になるじゃない」
「…変なこというけど、シラユキって、本当に死んだと思うか?」
「……え?」
「実はこれはサークル旅行のイベントのひとつで、ドッキリでしたー!とかそんなことはないか?」
違うと即答するわけにはいかないわね…
「ドッキリはともかく、どうしてそんな考えになったのよ」
「昨日の夜、シラユキを見たんだよ」
「(アカイ、疲れてるのかしら…)」
「そんな顔するなって!…シラユキの幽霊を見たと考えるよりは、シラユキは生きていた、そう考えたほうが現実的だ」
「(アカイ………疲れてるのかしら…)」
アカイがシラユキの幽霊を見たという妄想は放っておいて、バルコニーを出た。
1階に移動してバスルームの近くを通りかかると微かに鼻歌が聞こえる。
「会えないで、会えないで、狂える〜♪君思うほど狂気感じて〜♪」
「(誰か歌ってるのかしら?)」
そこまで気にすることもなく、キッチンで水を飲んだ後、2階に行き、様子がおかしかったアカイの部屋を訪ねる。
「アカイ〜?」
どうやらバルコニーからまだ戻っていないようだ。
「ふふ、ダメよアカイ…ちゃんと鍵を掛けて出て行かなきゃ」
ベッドに近づくとDVDケースを見つけた。先月の反省も兼ねて、上映会をしようということになっていた制作映像だ。普段は部長のアオキが管理していて、ここで見るのは初めてだ。
「ん……?廃棄?なにかしらこれ?」
気になった私はプレイヤーにDVDをセットし、早送りで廃棄DVDを再生することにした。
映像はアオキやカナザワが試しに景色を撮ったものだった。
「これは確かに廃棄ね…」
3倍速で早送りすると、最後の1分で、アオキとシラユキが映った。
『みんな帰ったわね』
『こっち来いよ』
『でも…みんなには付き合ってることナイショなのよね?部室に戻ってきたら大変だし…』
『大丈夫、バレないバレない』
『あ、カメラ…!』
『おっと…』
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