第1章 犯人は僕です?いいえ、犯人は私です。【コテージ編】
みんなの前で流したあの涙も全部演技。それにまんまと騙されたみんな。思わずクスッと笑ってしまう。
「本当に怖い女ね、ミドリ。」
その後、部屋に戻り、眠りについた。
───3日目───
警察が来るまであと2日。
「(昨日は散々だったわ…)」
昨日の会議で、裏の顔を持つ女、ミドリを騙させることに成功した。だが彼女の磨きかかった演技のせいで更に私への疑惑は深まった。
「あら…アオキ?」
少し早く目が覚めてしまった私は、リビングへと向かった。そこでアオキと遭遇する。
「…クロサキか」
「早いわね。こんな時間からどうしたの?」
「別に。早く目が覚めただけだ。そういうお前こそ早いな」
「アオキと同じ理由よ」
「…なぁクロサキ。俺は昨日の一件で…お前を見る目がかなり変わった。言ってる意味、わかる?」
「(つまりアオキも私を疑ってるのね。)」
「いいか…女子を泣かすやつは総じて悪だ」
その発言に引っ掛かりを覚えた。
「アオキ…私だって女子よ」
「安心しろ。お前を女子だと思ったことはない」
「はっ倒すわよ?」
「悪かった、訂正する。お前を男だと思ったこともないよ」
「同じことよ!」
イラッとしてツッコミを入れる。
「どうせアンタも私を疑ってるんでしょ?」
「ん?…ソレとコレとは別だよ。俺はクロサキを犯人だと思ってない。カナザワやミドリは状況証拠ばかりで、核心的じゃない。俺は第三者目線で平等に判断してるから」
「(女びいきの男が何を言ってるのかしら。)」
「それじゃ、俺も部屋に行くよ」
「ええ」
「……………」
アオキはいっこうに部屋に戻る気配がない。
「…なんだ、部屋に行かないのか?」
「え?」
「俺も“お前の”部屋に行くって言ったんだよ」
「ハァ!?私の部屋に!?」
「なにか不都合があるか?」
「ありまくりよ!女の部屋に男がいるなんて前代未聞だわ!」
「そこは安心しろ。さっきも言ったが俺はお前を…」
「あーはいはい!女として見てないんだったわね!いいわよ、そこまで言うなら来るがいいわ!」
「?何やけくそになってんだ?」
「なってないわよ…!」
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