第45章 complexion ■
結局レイは、イヴサンローランのキルティング素材の長財布を買ってもらった。
というか、半強制的にプレゼントされた。
YSLというゴージャスなロゴがデカデカと光っている淡いピンクの財布。
10万は軽く超えるものだ。
お誕生日でもないのにこんなに高価なもの…
いやお誕生日だったとしても……
なんだか、物の価値というものが浅はかに感じてきてしまう。
しかもその後、あれよあれよと連れていかれたのはクリスチャンルブタンだった。
ルブタンといえば、レッドソールが特徴のハイヒールが有名なフランスの超高級靴ブランド。
そこでレイは思い出す。
五条の靴もルブタンばかりであろうことを。
玄関の靴箱の中にも、いくつものルブタンの箱やスニーカーが入っている。
今、五条が履いているものも、控えめにスタッズのついたとてもオシャレな黒のスニーカーだ。
多分10万はゆうに超えるだろうことは、この店に入ってから分かったこと。
どれも15万〜30万くらいしている…
なんだか目がチカチカする…
キラキラするものは元々好きではあるけど…
でもなんか雰囲気が……
てゆーか、私の金銭感覚までおかしくなりそう…
靴なんて5000円以下のものでも全然十分なのに…
「ねぇ…私あんまりヒール高いのは無理だよ?」
「ローヒール選べばいいじゃん。あ、これなんかどうー?あ…これもいいね〜レイに似合いそ〜!」
そう言って、ヒールが低めのものをいくつか指さす。
店員がすかさず寄ってきて、是非試着を!と言うので、レイは促されるまま椅子に腰掛けた。
「ううんお姉さん!僕が手伝うから大丈夫っ♪」
レイに靴を履かせようとしてきた店員を五条が笑顔で制した。