第14章 蜂蜜
ー研磨sideー
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「いーなー、俺もディナー食いたい」
穂波が大学から戻ってくるだろう少し前に、アキくんと家を出た。
でも疲れることはしたくない、というおれの意を汲んで今、
アキくんの仲のいい人がやってるサーフショップに来てる。
なんで疲れないのかって、今ここにはカズマとアキくんとおれしかいないから。
……あとでっかい犬が1匹。
店番するから海行ってきたら?とかアキくんが言って、それでこんな感じ。
店の裏に芝生と、ハンモックとかソファがあって調子いい。
「え、どうやって誕生日当日とか予約したの」
「…別に普通に、ネットで」
「いつ?」
「ネットだと1ヶ月前からしか受け付けてなかった」
「…いつから考えてたの」
「…去年とか」
「去年から穂波のすきな店知ってたの?」
「…そういう話を聞いてたから探した」
「そういう話とは」
「いいじゃん別にもう。聞いてどうなるの」
「聞いて研磨に萌えるの」
「……」
大学のあるエリアがすきだって言ってた。
カリフォルニアはどこもすきなとこが多いけど、すきな感じの店とかが多いから空気感とかすきだって。
憧れの店がある、とも言っていた。
それでふと、調べているうちにここかなっていう店を見つけて、
それで穂波が渡米後にバイト始めた店とか聞いてから、間違いないなって確信した。
その店で長年勤めてから今は独立してやってる店だって言ってたから、その流れで調べて。
だから別に萌えるとかそういう要素は全然ないはずだ。
「ほんと研磨ってかわいい」
「それはよくわかんないけど、でもずるいなとは思う」
「……」
「カズマに言ってなかったけど、研磨、俺がまだこっちにいるってわかってから何考えたってさ」
「ちょっとアキくん」
「はーい、言いません」
「…穂波のすきそうな花屋教えてとかそんなとこでしょ」
「……」
「お、さずがカズマ」
気取りすぎないけどお祝いではある、
いい感じの花束を作ってくれるような店とか、
知らない土地で、しかも海外で数日で、そう簡単には見つけれないと思ってたから。
アキくんいてほんと助かった。