第14章 蜂蜜
ー穂波sideー
「ta-dah!!!」
(じゃーん!)
Nathanがトイレに、わたしが水をとりにキッチンに行っている間に、
Marioは研磨くんのハンドルネームが決まったようで。
戻ってきたら座る場所を指定されて、それから今、じゃーん!って紙をこちらに向けてくれたわけだけど。
「too far… can’t see」
(遠…見えないし)
「Actually too small」
(ていうか小さすぎ)
『……you know what maybe you can come close or write it bigger』
(近づいてくれるか、大きく書き直すかしたらいいと思う』
興奮しきったMarioはわたしたちの静けさと呟きには全く反応することなく、
K、O、D、Z……と一文字ずつスペルを口頭で伝えてくる。
……伝わってはいたのか、見えないっていう、反応。
「KODZUKEN!」
(コヅケン!)
「………」
「……wow, not bad, I mean, it’s cool」
(…え、いいじゃん。イケてる)
『…コヅケン』
ネイサンがいいじゃん、なんて言いながら、
ぽちぽちとiPhoneに打ち込んでいく。
KODZUKEN, Kodzuken…
こうして文字で見るとまたなんていうか、、、
『…え、うん。かっこいい』
「………」
研磨くんの反応を見る前に、声に出してしまった。
かっこいい、と思う。
人柄によっては、中学校からのあだ名、みたいなこともありうるような、
そんな一つのパターンではあるのに。
なんていうか苗字と名前を省略してくっつけたっていう。
なんだかすごく新鮮だし、かっこいい。
きっとこれはMarioが考えたから、だと思う。
日本語じゃない言葉を話す子で、
且つ、研磨くんのプロデューサー依然として真剣に考えたMarioから生まれたこの音とビジュアル。
なんていうか、文字の羅列によるデザインみたいな、
視覚的な印象、みたいな。