第14章 蜂蜜
「Is this right? Your name」
(スペルあってる?)
マリオがノートにおれの名前を書きなぐって見せてきた。
「…is z necessary?」
(これzっているの?)
「…? Without z, naturally it’s gonna be like kodume」
(zなかったら こどぅめ って読んじゃうけど)
「…こどぅめ。 じゃあzつける」
「you say, you’re fine with z right?」
(zがあっていいって言ったんだよね?)
「ん、」
英語で喋る機会が増えてから、少しわかったことかがある。
それでも今までは画面越しばかりだったけど、
今は目の前にいる人と、だからそれを余計に強く感じる。
ことばってすごいツールだけど
同時に、なんだってよかったりするんだなってこと。
「okay, I’ve done. Hey, where are those two?」
(よっしゃ決まった。ネイサンと穂波はどこ?)
「…わかんない」
マリオは2人がいなきゃ発表できないとばかりに、
キョロキョロしながら戻ってくるのを待った。
紙に書いた文字をおれに見られないように身体で隠しながら。
……おれの、ハンドルネームなんだけど。