第14章 蜂蜜
「so, what’s your handle gonna be?」
(なんて名前でやるの?)
「……handle? I have no idea at all, I mean just it’s okay as it is」
(…名前?え、そんなこと何も考えてない、ていうか別に今のままで良くない)
「no way! You mean KOKE is fine?」
(絶対だめ!こけのままってこと?)
めんどくさいし、穂波もおれも苔が結構すきだし、
最初のゲームの大会出る時に頭文字でこけって入れてそのまま来たけど。
別に特別な思いもないけど
なんで、そこまで否定されてるんだろってちょっと逆に驚く。
今興奮気味にハンドルネームについて話してきてるのはもちろんネイサンじゃなくて、マリオだ。
「I mean, Koke is fine, but not for your YouTube channel.
Cause your channel must be subscribed over million」
(こけがだめって言ってるわけじゃないけど、でもYouTubeにはだめ。
だって100万人とか絶対超えるわけだし)
「……」
なんだろう、すっごい考えてくれてて、ちょっと押されてる自分がいる。
目の前にいる8歳の少年に、すごい、押されてる。
あとどうも、こけって発音しにくいっぽいな。
こきに近いような音になってる。だからかな?
「what’s your family name?」
(苗字何?)
「Kodume」
(こづめ)
「Kenma Kodzume? wow, it’s cool」
(けんま こづめ? なにそれかっこよ)
「……」
「KK…Kenko? Kenkodzu…」
マリオは何かスイッチが入ったようでぶつぶつとおれの名前をもじって
出てきたものをとりあえず音にして確認する、みたいな作業に入った。
頭で考えるんじゃなくて、口に出して判断する、みたいな。
おれのこと考えてくれるのに、ちょっと人ごとのようで
それからこのプロデュース力みたいなのにやっぱり少し、驚きつつ感嘆してるおれがいる。