第14章 蜂蜜
ー穂波sideー
「…まぁいいや、そういうとこずっと変わらないよね。 …すき」
『……?』
何かわたしがトンチンカンなことを言っただろうか。
研磨くんは少しの間のあと、そう言った。
まぁ、いいや。
このブランチは幸せすぎる。
トンチンカンでも何でもいい、たっぷりと味わいたい。
もりもりとサラダを食べて、
暖かいポテトとスープがあって。
みずみずしく美味しい果物もあって。
明るい室内。
心地いい風も抜ける。
そして何にも変えがたく。
ここに研磨くんがいる。
大好きで、大好きで、しかたのない人が。
『…幸せすぎる』
「…ん、」
『午後は何して過ごそうか?』
「…んー、だらだらしたい」
『家で過ごす?』
「うん、家で過ごす」
『……映画でも観る? ドラマでも』
「いいね、決まり」
研磨くんと一緒に、
海に行きたい。
散歩もしたい。
ファーマーズマーケットにも行きたい。
美味しいお店に案内したいし、
バイト先にも来てほしい。
でもでもそれはまだこれからできるはずだから。
研磨くんが春休みをほぼ使って滞在してくれるから、
こんなふうに贅沢な時間の使い方も、できちゃうんだ。
「春学期はどんな感じ?」
『んとね、、、』
去年の12月のクリスマス前から今年の1月半ばまで冬休みがあった。
帰国も考えたけど、研磨くんが2月に来てくれることは決まっていたし、
バイトや趣味に明け暮れて過ごした。
クリスマスはお互いに話して、プレゼントは一緒に過ごせる時にしようってなって。
わたしからはカードと、鳥の羽を洗って乾かしたものを同封した。
カリフォルニアの街でちょこちょこと遭遇するオウムの、綺麗なグリーンの羽。