第12章 Hi!
「それは時として残酷そうだけど。
…だからか、治くんいつも、ハッとしたようにしゃんとするよね」
「……そーっすね。まぁ結局、俺が好きでいたいだけなんすわ。
相手も迷惑そうにせーへんし、彼氏もあんな感じやし。
自分で終わらせな、終わりはないみたいっすね」
「落ち込んだりしないの?」
「落ち込んだりはしないっすね、俺は、基本」
ツムはオーラばっきばきに出して落ち込むけどな、なんかあると。
「治くんの言う俺は、の対局には不思議と侑くんが浮かぶし、
治くんの言う俺ら、にも侑くんが浮かぶって、なんか」
「………」
「ツインズって感じ。いいね。また侑くんにも来てって言っておいて」
「…言いませんけど」
またそのうち勝手にくるやろ。
ツインズって感じ、か。
…でもほんま、ツムとおるときの穂波ちゃんって、
研磨くんとおる時ともちょっとちゃうかって、
なんか違う無邪気さでとってかわええんよな。
喋る言葉数も多なってて、なんか…
違う一面なんやけど、でも穂波ちゃんのまんまやし。
…ほんでも、研磨くんの隣におる時は、レベルいうか次元がちゃう感じなんよな。
あれなんなんやろ、ほんま。
まぁええわ、ケンさんのたこ焼き食お。
さっきの餃子も2種類あってめっちゃ美味かったし、
たこ焼きも絶対旨いし。
またいつか、穂波ちゃんに作ったる時は、
今よりもっと腕磨いて旨いもん食わせたいからな、
今はこうやって仕事ちゃう時も、尊敬する人のメシ大事に食うんやって。
コンビニ飯でもチェーン店でも、食べる全部が俺を作ってく。
身体だけちゃう、舌とかアイデアとかな、将来の店のメニューとかそういうもんに繋がってく。
やから俺はやっぱ、俺のできること、
今ここでしゃんとやってくしかない。
マジで好きでいつでも触りたいくらい好きやけど、
会われへん時間も充実したもんにしてくれる穂波ちゃんってほんますごい存在や。
研磨くんとはお互いにそんな感じなんやろな。
…俺も、少しでええから、穂波ちゃんにとってそんな存在であれたらな、とか。
落ち込むことはないけど、女々しく願ったりも、せんこともない。