第12章 Hi!
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「いや俺は混乱してるよ、治くん」
キッチンをほぼ片付けて、
休憩部屋にしてる2階からたこ焼き器持ってきて、
電源引っ張れるテーブル席で俺の向かいに座ったケンさんが笑う。
俺もカウンターから皿持ってこっちに移動して、
ほんで、またいろいろ喋ってたんやけど。
「どんな彼氏なのさ、治くん完全に恋してるじゃん」
「…いやちゃいますって、いや、俺が好きなんは穂波ちゃんなんです」
「…笑 わかってるわかってる、でも、魅力的な彼氏なんだね〜 どんな人なんだろ〜」
「…でもええですよね、なんていうか、どんな人なんやろって思わせれる魅力があるっちゅーか。
多分大物になるんちゃうかなって、思うけど」
「けど?」
「素朴でええ子で、ほんま、好きです」
「…んーと、え、酔ってる?」
「飲んでません!酔うてません!」
「…笑 だって今の好きですは完全に彼女の方に言ってたでしょ?
でも今の話の流れだと完全に彼氏への想いだから。
治くんってさ、大抵は冷静だけど、時折結構わやなとこあるよね。
侑くんは逆な感じ。
カーッと熱く行きがちだけど、ふっとした時は冷静なイメージあるなー、よく知らないけど」
「…そーですね、あきらめれんいうときながらどっかもう、
研磨くんと張り合うつもりはないみたいなとこはあるし。
…それがええんやろか? 押してダメなら引いてみろ的な?」
「いやいやいや!違うでしょ、治くんにも惹かれてるから、その子。
治くんが、侑くんと張り合うのは微笑ましく見てそうだけど」
「けど?」
「侑くんの真似したらすーって引いていきそうに思うけどね、話聞いたところの俺のイメージ」
「………それも、そうかもしんないっすね」
なんやツムもいうてたな、今それをこの場でツムがしてまったら萎える的なこと言われたいうて。
…春高のトイレで一発的なこと、言うた時に。
…俺やったらほんまにしてまいそうやけど、
いやせんけどな、そんなんしたら試合でれんくなるどころちゃうし。
でも、そういうことやな、きっと。
まんまでえーよ、まんまがえーよ、みたいな。
……ゆーて、やから、どうしたら俺のもんになるん?
できることはありません、みたいな感じもしてくるやん。