第12章 Hi!
ー穂波sideー
「今メシ作ってくれてんだよ、邪魔になるだろうが」
家に着いて少しして、着信があったみたいで。
一くんは電話で話してる。
「は?ビデオ通話? 何でお前とそんなことしなきゃいけねーんだよ」
そう言った直後に電話は切れたみたいで、
クソ切りやがった…とかって呟いてる。
「こわ… なんであんなに口悪いの。 目つきも怖いし」
『そうかな、わたしは全然怖くないけど』
夕飯の支度をカズくんも手伝ってくれていて、
隣でボソボソって。
「まー、穂波はね。 ていうか研磨におれと寝ていいか確認したでしょ」
『え? あ、うん、さっきの写真送る時に。そういえば返事見てないや』
「おれの方にもきてた。寝ちゃダメって。…聞かなきゃいいのに」
『えっ、寝ちゃダメって? あれー?そうだったっけ? お風呂はダメって言われてたの覚えてて』
「でもさ、研磨いつも穂波がすることを制限したりしないとか言うのに。矛盾してない?」
『ふふ、矛盾は必ずしも悪ではないのよ』
「それはそうだけど… 穂波がおれと寝たいなら、寝ていいと思うんだけど。 …おれとなら」
『えー、カズくんと寝たいよう。ぎゅーってして寝たい』
「でしょ? それもちゃんと伝えないと。それもちゃんと伝えて。
じゃないと2人らしくないよ。どっちかの言うままにするなんて」
わたし達らしさってなんだろう、とか思いつつそれもそうだなって思って、
あとで電話してみるねとか言ってたら
「ちょっと!寝るとか寝ないとかなんなの!
及川さんだよ〜じゃーん!ってしようと思ったのに、完全にタイミング見計らう感じになっちゃったじゃん!」
そんな声が聞こえて。
ふと顔を上げると、一くんのスマホに及川さんが、いる。
一くんは、ほんとすまん、って感じで片手を顔の前にあげてぺこってする。
全然、すまんじゃないよ! 及川さんだ!
気になってた、及川さん!どこで、なにしてるの??
車で聞こうと思ったけど、一くんの話やわたし達の話で時間は過ぎて、
また食事の時とか後にでもって思ってた。