第10章 ゴミ捨て場の決戦!
ー研磨side
必死でプレーしてて
ふと
ああ、ここはどこだっけ?
って分からなくなった
ネットの向こう側には烏野
春高のオレンジコートで戦ってた気もするし
あの日のように合宿中の体育館で
"次"がある練習試合をしてた気もする
海さんが上げたボールが手の中に収まって
見上げた時眩しいライトが視界に入って
そっか、これは"次"がない試合だったんだって気付いた
トスを上げようとして
ズルッと手が滑った
あっ
汗か
そのままボールはコートに転がった
ピッと試合終了の笛が吹かれる
笛の音を聞いた瞬間、蓄積した疲労が途端に押し寄せてきて
その場に足を投げ出して座った
「…おれ達が
負けたところで勝ったところで
誰も死なないし生き返らないし
悪は栄えないし世界は滅びない
壮大な世界を駆け巡るわけでもなく
ただ9×18mの四角の中で
ボールを落とさない事に必死になるだけ
はぁ〜面白かった!」
そう言って仰向けに寝そべった
多分クロがあの時、バレーボールを持っておれの前に現れなければ
きっと知らなかった
この心地よい疲労を知らないまま大人になっただろう
おれはムクリと起き上がりクロの方を見る
「クロ
おれにバレーボール教えてくれてありがとう」
「…あ、うん
…は?!」
クロは面食らった様子で変な顔してる
「待て待て待て!ちょっとバカヤロウ!」
そんで急におれに背を向けて大声を出してきた
「え
何キレてんの?」
整列!と声がしたから、フラフラと満身創痍の身体を引きずりながらコートの端に整列する
「あ〜〜おれ今日絶対熱出ると思う」
ピーッ
『『ありがとうございました!!』』
主審の笛に続いて両チームは深々とコートに向かってお辞儀をした
すると会場から聞いたこともないほどの歓声と拍手が送られ、気恥ずかしいようなむず痒いような感じがした
音駒ギャラリーと猫又監督に礼をし、フラフラとベンチに戻ろうとすると
翔陽と影山が近づいてきた