第10章 ゴミ捨て場の決戦!
リエーフ君のブロックにぶつかられた研磨さんが吹っ飛ばされる
「うわぁぁぁ研磨さん!!」
焦るリエーフ君
「バカ!ボールまだ落ちてない!」
研磨さんが凄い形相で叫ぶ
痛いくらい胸の奥がジーンとする
体勢を立て直して夢中でボールを追いかける研磨さん
何とか繋がった烏野のボールを翔陽がネット際で押し込むも、リエーフ君のブロックが立ちはだかる
気迫の籠ったリエーフ君のプレーに音駒サイドが湧いている
それをギリギリの所で大地さんが繋ぐ
ダイレクトで返ったボールに研磨さんが食らい付き、また烏野コートに戻ってきた
終盤も終盤
影山くんの一糸乱れぬトスワークから誰に上がるのか
疲れから思考が停止して飛びつきたくなるのを我慢して、リエーフ君がリードブロックで動き出す
あ、なんかツッキーみたい…
って思ったけど、そうじゃない
これは黒尾さん
黒尾さんはツッキーだけじゃなく、リエーフ君にも技を繋いでた
翔陽の囮には釣られず、しっかり田中さんの前に立ちはだかる
田中さんの極上ラインショット
待ち構えてた海さんがパァァァンという音と共にレシーブすると会場がオオオオ!!とどよめく
その瞬間
私の中からギャラリーも喧騒も消え去って
まるであの日の体育館にいるような錯覚に陥った
暑い暑い夏の体育館
負ければ灼熱の裏山ダッシュにフライング一周
暗くなるまで何セットも試合した
あ、そろそろ3セット目が終わる
手でスコアを捲りながら
やっちゃん、冷たいドリンクとタオル運ぼっか
私は音駒のマネージャー代理やから、あっち配ってくるね
海さんが打ち上げたボールを見つめながら
意識がトリップしてた
落ちてきたボールは研磨さんの手の中に
そして
ズルッ…
ードッ
ボールは研磨さんの手の中で空回りして、上がらずに音駒コートに転がった
ピッ
『汗ですね…ボールが滑ったんですね〜ぁあ何という…!
ラリー中ボールに触った全員分の汗ついてますからね』
「田中さんナイッサー!」
翔陽が言う
終わってしまった…その実感のないまま
いつの間にか決着がついていた
音駒21:25烏野