第10章 ゴミ捨て場の決戦!
「え?分かりません…やっとここまで来たなぁって感じですか?」
『やっとって思いもあるし、いい加減回復アイテムも尽きかけてヤバいなって思うけど、それ以上に
…まだ死なないでよって思う』
「…魔王がですか?」
『そう、矛盾してるよね…倒そうとしてんのにまだ死なないでなんて』
「そんなことないんちゃいますか?」
『え?』
「だって楽しいから終わってほしくないって思うってことですよね?普通ですよ」
『…そう?まぁでも今回は特別思ったかも』
「そうなんですか?」
『だって…ゲームクリアしちゃったら歩はもうおれに電話してこないでしょ?』
「…?」
『歩と電話しながらゲームすんの楽しかったよ』
「こちらこそです!またやりましょう!」
『うん、しよう』
「研磨さん、一つ聞いていいですか?」
『なに?』
「ゲームみたいに終わらないでほしいって思ったバレーの試合ってありましたか?」
『…試合で?ないかな…疲れるし』
「ですよね」
『でも…
苦しくてしんどくて早く勝って終わりたいって思ってんのに、楽しくて終わらないで欲しいなんてバレー…してみたいなって気持ちはあるよ』
今目の前にいる研磨さんは普段とは違う必死の形相で、まさに満身創痍で
でも見たことないぐらい楽しそうにバレーをしてる
きっとまだ死なないでよ
そう思いながらプレーしてるに違いない
黒尾さんからのサーブ
影山君がツッキーにセットすると見せかけてのツー
毎回思うけど、この終盤にツーぶち込むメンタルまじどうなってるん
音駒20:23烏野
からの…研磨さんも極小モーションからツー!!!
音駒21:23烏野
「オープン!」
ドンッと床を蹴る音がして翔陽が舞い上がる
今日の翔陽はゾクゾクするほどブロックがよく見えてる
リエーフ君の指に上手く当ててスパイクを決めた
音駒21:24烏野
息をするのを忘れる
顔の前で合わせた指先が痺れてるのは、過呼吸になってるからかもしれない
影山くんのサーブ
山本さんのレシーブ
田中さんのスパイク
リエーフ君のブロック
一つ一つのプレーを目に焼き付ける