第10章 ゴミ捨て場の決戦!
怒涛のプレーの応酬にビリビリと空気が痺れる
ノヤさんが繋いだボール
翔陽にトスが上がった
翔陽の視線
フェイント
前!
パッと音駒コートに目をやると、研磨さんは反応してる
読まれた!
そう思ったけど
…前と見せかけてロングプッシュ
前に落ちると読んだ研磨さんは、右手を高く上げてなんとかボールに触れるけれども、返しきれずに音駒コートにボールが転がった
『ー怒涛のラリー!
最後は前に落とすと見せかけてのロングプッシュ!
クレバーな一本で決めた日向翔陽ー!』
「やっちゃん気づいた?」
「え?」
「今の翔陽のロングプッシュ、1回戦で椿原がやってたやつ」
擬似ユース合宿から翔陽はほんまめっちゃ変わった
プレーしてない時でも試合してるみたいに、コートん中を凝視するようになった
それで…あれをインプットしてたって?
怖すぎる
コートを見ると研磨さんがペチャッと床に倒れ込む
?
そこに黒尾さんが駆け寄っていく
さっきのプレーでどっか痛めたんやろか?
食い入るようにコートを見ていると、翔陽が突然
「ン"ア"アッシ!!」
とガッツポーズをする
不思議な空気に包まれる会場
実況も何のことやら状況を掴めない
でもコートの中のみんなは知ってる
翔陽のガッツポーズの意味
「日向…どうしたのかな?」
やっちゃんも不思議そうに首を傾げる
「恋が成就したんやろ…」
フッと見ると黒尾さんも何とも言えない笑顔で立っている
ああ、この人が研磨さんをバレーボールの世界に連れてきた人なんやな
そんで色んな人との出会いが繋がって
今ここにみんなが立ってる
繋ぐっていう横断幕
音駒に、そんで黒尾さんにピッタリやと思った
「研磨さん!あと一息ですね!」
2人で電話しながらオンラインゲームをしてた時のこと
ボスの魔王が現れて、何度も死にかけながらやっとのところまできた
勇者をギリギリの所で回復させまくって何とかここまで辿り着いた
その時、研磨さんがボソッと
『歩?おれが今考えてること分かる?』
と言った