第12章 君への思い
ところ変わってルミネの本屋
「うん、買いたかった本も買えたしどうしようかな。」
私は気になっていた小説の入った袋を見た。新しい本というものはそれだけで気分が上がる。最近は煉獄さんも読むだろうと、ついつい沢山買いすぎてしまう。
さて、どうしようか。私は時計を見た。煉獄さんと合流する約束の時刻までにはまだ余裕がある。
本屋さんをもう少し見て回ることにしよう。本屋さんは見て回るだけでも楽しい。新たな発見がある。そう思いながら店内を歩いていると、とある漫画コーナーの一角にたどり着いた。少年漫画コーナーだ。
鬼滅の刃
私は棚にあるそれをしばらく見つめ、そして背表紙を指でなぞった。
煉獄さんが、この作品の中でどう生きていたかその後の世界がどうなっているのか、私は知る必要がある。そう思っても、実は最近、それがとても怖い。彼の世界を知ることで、私の中の煉獄さんがどんどん遠くに感じてしまう気がする。アニメの中の煉獄さんは、夜布団の中で眠りながら寝言を言ったり、ロールキャベツのおかわりをねだったり、小説の続きを読みたいと誰かに言うことはない。ただ、柱として堂々としている。私はそんな彼を知らない自分に何故か悲しくなってしまうのだ。
「彼のいた世界で、私も一緒にいれたら良かったのに」
私が傍から見て相当おかしなことを言っていることを自覚して苦笑する。
私、煉獄さんのこと自分が思ってるよりも大切だってそう思ってるんだなぁ。煉獄さんともっと仲良くなりたいって思ってるんだなぁ。
胸の奥からじわじわと溢れ出る熱に私は頬が熱くなった。
本屋を後にし、気分を変えて私は雑貨を見ようとアフタヌーンティーに向かう。
「あれ」
「む!」
「あれ、2人ともここにいたの。」
アフタヌーンティーに行くと、斉藤くんと煉獄さんがいた。なんでこんな女の子向けのお店にいるんだ?煉獄さんを見ると何やら荷物が多い。何をそんなに買い込んだんだ?
「中彩!もう本は良いのか?」
煉獄さんが私に気付くと近くに寄ってくる。その後に斉藤くんが続く。
「大方買い物は済んだので、少し早いですが中彩さんと合流しようと思っていたんです。その前にここに俺が寄りたくて。」
斉藤くんがそう言って煉獄さんを見る。煉獄さんは深く頷くと「まさか中彩もこの店に来るとはな!」と言った。