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夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第52章 波打つグルーヴ【渋谷事変】



『――【領域展開 蕩薀平線(たううんへいせん)】』


 ザザッと波音が響く南国の砂浜の景色に、真希は言葉を失った。同時に脇腹に激痛を感じて振り返る。そこには、びっしりと鋭い歯を持つ獰猛な魚がこちらを威嚇していた。

 式神⁉︎ これがこの領域の必中!

 当たるまで気づかなかった。いや、当たるまでそこに存在しなかったのか。

 七海も肩を負傷している。同じようにやられたのだろう。

 だが――……。


「【秘伝 落花の情】」


 直毘人の背後に、真っ二つにされた魚が転がっていた。

 ――【落花の情】
 御三家に伝わる対領域の術。
【簡易領域】のように自らは領域を展開せず、必中の術式が発動して触れた瞬間、カウンターで呪力を解放し、身を守る。

 陀艮が手を合わせた。


『――術式解放【死累累湧軍(しるるゆうぐん)】』


 なんだ、あの数は⁉︎

 歪つな形をした大量の水棲生物が群れをなして海から現れる。こちらは三人に対して、とても対処できる数ではない。

 冷や汗を流しながらも槍を構えると、七海が「真希さん!」と焦った様子で呼んできた。

「式神はまっすぐ こちらに向かってくるわけではない! 次の瞬間には私たちの肉を抉っている! 考えてはダメです! 触れられたと感じたらすぐに叩き落としてください‼︎」

 呪力を持っていれば、それを使っていくらか必中効果を緩和させることができる。だが、呪力をほとんど持たない真希は、一〇〇パーセントの威力を食らうことになるのだ。

 だが、そこまで説明する間もなく、長い体躯を持つ式神が何体も七海に巻きつき、歯を立てる。追い打ちをかけるようにさらなる式神が群がり、七海を呑み込んだ。
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