• テキストサイズ

夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第50章 止まらずに進むセグエンテ【渋谷事変】


「分かってますよ、ちゃんと。『心は熱く理想を追いかけて、頭はどこまでも冷静に現実を見極めて』――今 この場での理想は、一人でも多くの一般人を助けること。そして現実は、改造人間を元に戻すことはできない。だから 殺さなくちゃいけない。迷いはありません。僕は皆の足を引っ張るためにここにいるんじゃない!」

 順平は走り出し、【澱月】の触手を足場に跳躍すると、改造人間に飛び蹴りを食らわせた。そして、腰につけた警棒のような呪具で改造人間の胸を貫く。


 ――コイツ、変わったな。


 初めて交流会で会ったときとはまるで別人。

 気弱な印象は変わらない。先ほど真希に啖呵を切ったときも、手はガタガタと震え、声も上ずっていた。なのに、目だけは揺らぐことなく、強い意志を湛えてこちらを見ていた。

 式神と連携はとれているが、まだまだ未熟。体術は粗削りで洗練さの欠片もないし、隙だらけ。警棒術も素人よりはマシというレベルで、訓練された警察官の方が優秀。

 それでも――……。

「泣きべそかいたら打っ叩くから覚悟しろ!」

「えぇ⁉ それはちょっと……」

 そこは逃げ腰なのかよ。笑える。

 やがて 散り散りになり、三人はひたすら改造人間を殺し、一般人救出に注力した。助けた一般人は一ヶ所に固まるように指示し、順平に守らせる。

 改造人間自体はそれほど強くない。せいぜい三級か、強くても二級かそこらだろう。
 数が数だけに時間はかかるが、逆に言えば、時間さえあれば掃討できる。

 いや……“時間をかければ”なんて悠長なことは言っていられないか。事態に対して自分たち術師は後手に回っている。事態の収拾が遅れれば遅れるほどジリ貧だ。
/ 1072ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp