• テキストサイズ

少年誌系ごちゃ混ぜ短編 R18

第17章 スルタン企画 絶対君主には成れずとも$ 上巻


宮女は下女と代わらない。



「俺の母も元は旅一座の舞手だった。王に見初められ、お手付きになったから、妃姫になった」


義勇の母の話を本人から聞いたのは初めてだった。


下女達が尾鰭を付けて吹聴しているようだが、義勇本人から聞かないと意味が無い。


冨岡の深い蒼い目が、その真摯な眼差しが、那岐を捕らえて離さない。

私は、義勇を拒めない。



ずっと、そう望んでいたから。

いつか隣にと、夢を描いていたから。



……でも、何だか怖い。



私が慕っている義勇は今の彼とどこか違う。



「………俺が怖いか?」


頷きかけて、けれど途中で気がついた。

義勇の眼が出会った頃と同じで、少し寂しそうな光を宿していて……



「……私で、良いの?」



深く息を吸い、ようやく言葉にできたのがそれだった。

昔から口下手で、不器用で、それでも隣りに居ないと寂しくて……



「俺はお前が良い。お前以外に考えられない……」



義勇が額を那岐のそれに当てる。



「その気がなかったら蹴り飛ばしてくれ。そのままなら俺は、このままお前を抱く。意味は分かるな?」



義勇が力を抜いたのが分かる。

本当に私の意志に委ねるのだ。

初めて会った七つの頃から、ずっと……

/ 285ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp