第17章 スルタン企画 絶対君主には成れずとも$ 上巻
妻がいないからなんだと言うんだ。
冨岡はくだらないと最初の内は見向きもしなかった。
彼女となら、もしかしてと思えたのは視察から帰って来た際に騒ぎ立てることもなく、ただ静かに隣で他愛もない話に頷いてくれる。
そんな程よい距離を保ってくれる彼女を自然と受け入れ、そばに居るのが当たり前だと思っていた頃に。
「大戦で他の王子が亡くなった場合、お前はどうする?」
王に問われ、俺はその問い自体がくだらないと思った。
「どうとは?」
「お前は何のために生きている?皆生きる目的がある。俺はこの国をより良くするために。杏寿郎は民衆の為に。天元は支えてくれる家臣の為に。実弥は自分が武勲を上げることで、一人でも戦火で失わぬように。と述べた」
王は再び同じ問いを口にする。
「お前は何のために生きている?」
「……………」
俺はすぐには答えられなかった。