• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜





「王宮に来るヤツらは
こぞって俺をバカにした。
純血でも出来損ないはいるものだと
散々罵っていった。
それでも、よく出来た兄は俺の誇りだった。
町へ抜け出した時、…お前に群がる民たちは
みんながみんなお前に好意的だったなぁ?
王子なんて立場を見事に取っ払って
気さくに話しかけられるお前を見て
自分は一体、何なのかって思ったよ」

「…お前はお前でしかねぇ」

「そうだ。だから、
俺は俺でいる事が嫌になったんだ」

「アシル…」

天元は大きなため息と共に肩を落とした。
この人はきっと、この弟の事を
大切に思っていただろうに。

「あれは俺が
町に通って作り上げた関係だ。
なにも最初からああだったワケじゃねぇ。
ここからお前も、
お前なりに関係を築いていけばいいと思っていた。
それなのにお前はそれすらも恨みに変えたんだ」

「お前を見ていると自分のすべてが嫌になる。
俺の前から消えてほしかった」

「次の王位がほしいならくれてやるぞ。
熨斗つけてな」

「お情けでそんなもの要るか。
ヘビの生殺しだ。俺を愚弄するなよ」

天元はまた大きく息をついた。
諦めにも似たそれは
この場を更に重くしていく。

「…誰かを憎んで生きるのは疲れるだろう」

真っ直ぐにアシルを見つめて…
諭すつもりなのだろう。
道を踏み外したアシルに
戻ってきてもらいたいに違いない。
自分を殺そうとまでしていた人間に
そんな情けが必要なのか…。

「俺を憎んで気が済むのならそれでもいい。
ただこいつを巻き込むのだけはやめてくれ」

「…その女が、そんなに大切か?」

「あぁ」

「お前を殺そうとした女だぞ」

「いや、睦は俺を
殺そうとした事なんか1度もねぇ。
そうだな?」

くるりと私を振り返る。

そんな優しい目を、
また向けてもらえると思っていなかった私は
不覚にも涙が溢れてしまった。
それを見て、厳しかった表情を
ふっと緩めた天元は

「お前からの愛をわからねぇ俺じゃねぇよ」

私の涙をもっと誘う。
それを聞いて、
今度はアシルがため息をついた。

「……愛は、そこまで人を強くするのか?」

「当たり前ぇだろ。
お前だって、愛から生まれてきたんだ。
わかろうとしろよ」

「…そうか」

天元に言われた事を噛みしめるように
頭を数回頷かせた。


/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp