第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜
「ごめんなさい。
確かにあの男に加担しかけたわ。
甘い口車に乗せられた。あの時の私は
ここから出たいとそればかりだったから。
この指輪の石は毒だと…
それで天元を殺せと言われた。
でもここから出る為に誰かを殺すなんて
そんなバカな話はないと思って…
結局何も出来なかったの。
命と引き換えに出来るものなんて
この世にありはしないもの」
「……」
天元はただ黙って聞いていた。
傷つけてしまったかしら。
…
「あんな偉そうな事を言っておいてこのザマだよ。
結局あなたの評判はガタ落ちね…
なんて女を連れて来たんだと」
私はもう笑うしかなかった。
どんな顔をしたらいいのかわからなくて。
「ばかね天元は。
何も知らずにこんな女を、好きになっちゃって」
言いながら泣いてしまいそうで、
涙を堪えるのに……堪えきれないや。
「でも、幸せだったよ。
真っ直ぐに愛してくれて嬉しかった。
そんなつもりなかったのに、
私まであなたを愛しちゃったくらい嬉しかった」
こんな私は、追放だけでは済まないだろうなぁ。
だけど、どんな目にあわされたって、
この人が無事ならいい。
…心から。
「くだらない愛情ごっこはやめてくれないか。
吐き気がするよ」
…そうだね。
ほんのお遊びだ。
こんな事が明らかになって、
この先自分がどうなるのか
全くわからないこの状況が
おかしな事に全然怖くない。
さっきまでの方が……
ヘタに隠そうとしていた時の方が
よっぽど怖かった。
私の世界の真ん中は
完全に、天元になってしまったんだなぁ…。
この人に誤解される事が、
…自分の気持ちを疑われる事が
死ぬよりも怖いなんて。
天元への愛を疑われながらそばに居るなんて
私には耐えられそうにない。
アシルが声を上げた事で
私に注がれていた彼の視線がそちらへと流れた。
「言ったろう。
お前を亡き者にしようとする輩が
紛れ込んでいると。
その女こそ、その張本人」
いやらしい笑みを浮かべ
私の事を指差した。
その途端、ギリっと奥歯を噛み締めた。
「…そうなるはずだった。
それなのに…、
お前は役立たずだな睦。
お前までこいつを愛するのか」
アシルのその言い方が、
たまらなく淋しそうに聞こえて、
私はソファにもたれ項垂れていた顔を上げた。