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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜





でもさっき、大嫌いだと言ってしまった。
みっともない嫉妬に、無様に狂って
ひどい事を言いかけた。

それにしたって、この男…!
それを逆手にとるなんて…。
でもその隙を与えたのは私…

「捨てるなんて…!」

そこまで言って、ハッとした。

…言えない。
言えないのだ。

この指輪を捨てられなかった理由を。
天元に話せない。話したくない。

毒薬だから、処理に困ったのだと。
そんな話を聞かせれば
何のための毒なのかと
そんな話に至るに決まっている。

理由も言えないのに
贈られた指輪を捨てられないなんて言えば、
アシルからの愛を
大切に持っていたかのように聞こえてしまう。

ハメられた。
天元はきっと、
私とアシルが密通していたと勘違いするだろう。

だって、私に今向けられている
天元のこの恐ろしい程の無表情…

あんなふうに、
私の愛が演技だと言われてしまえば
今までを振り返り
そう感じる節はそこかしこにあっただろう。

「天元…天元を、愛してるの…
嘘なんかじゃない…」

こんな状況になって、今更こんな事を言っても
取り繕っているようにしか聞こえない。
もう天元には、届かないような気がして
私はアシルがこの部屋を訪れた時以上の
絶望を感じずにはいられなかった。
その絶望は涙となって頬を伝うが、
それすらも演技のように見えてしまう…。

それはこの男が、せせら笑うからだ。

「この国の第一王子の命を狙っておきながら
この期に及んでまだ言うか」

「…なんてヤツなのお前…」

声が震えた。
涙なのか。
怒りなのか。

「…睦…?」

天元に名前を呼ばれ、
びくりと全身が竦み上がる。

誰に何を言われてもいい。
でも彼にだけは、誤解されたくなかったなぁ…

そう思い、彼のえもいわれぬ表情を見ていると
ふとある考えが頭をよぎった。

中途半端に、
ここに残りたいと
そんな未練がましい事を考えるから
本当の事が言えないのだ。
言ってしまえばいいんだ。
洗いざらい。

これは罰かな。
この指輪を突っ返せなかった罪への。
それから、指輪を捨てられなかった罪。
あとは…この人を愛してしまった罪。
全部、私が犯してきた罪だ。
ちゃんと償わなければ…。



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