第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜
背中ぐるみ、
包まれるように抱きしめられて
ホッとした途端に
全身が痙攣するように震え出した。
それを押さえ込む程の力に
それでも安心してしまう。
「急にどうしたんだ。
体調でも悪くなったか?」
こんな状況になってしまっては、
大丈夫、だなんて言えるわけもない。
そもそも大丈夫なんかじゃないし。
ごまかしすらきかないだろう。
「睦…?ただの緊張、
てワケでもねぇだろう?
もう大丈夫だから…
もう誰もいねぇよ?」
優しい目が、何でも話せと言っている。
洗いざらい話してしまいたい。
でも、言えるわけがない。
あなたは弟に、命を狙われていますよなんて。
あの時バルコニーで
私の喉元にナイフを突きつけた。
『俺はヤツが邪魔だ。消えてもらいたい。
お前も、あの男が消えれば晴れて自由の身。
目的は達成できるというわけだ』
そう言って私を誘惑した。
あの声を忘れはしない。
喋り方や声色は変えていたが
聞き違えるわけがない。
絶対に、あの男だ。
怖い…
「…っ…、んッ」
あの場所で
まともに話しすらできなくなった私を
埒があかないと思ったのだろう。
歩ける事はわかっていた彼は
再び歩き出し私の住まう後宮に連れて行った…
はずだったのに…
ふわりと訪れた浮遊感の後、
私の身体を受け止めた柔らかいものは
およそ私のベッドなどとは思えなかった。
彼の肩越しに見える高い天蓋…
ハッと横を向くと、
見たこともないような
煌びやかな家具が並んでいて…
「…ど、…どこ⁉︎」
彼の首にしがみつかせていた腕を解き
少しだけ上体を起こすと
窘めるように押し戻されて
顎の付け根にキスをされた。
「どこ、ってコトねぇだろ…
お前が自分とこはやだって駄々こねるから…」
かぷっと耳を食み
私を覚醒させるように刺激を与える。
「特別に俺んとこ来たんだろうが。
覚えてねぇの…?」
囁きが私の鼓膜を震わせた。
…全然覚えていない。
駄々をこねた…?私が…
でも、確かにあそこは怖い。
あいつが、また入ってきたらと思うと…
無意識に、目の前にいる
愛しい人の頭をかき抱いた。
「……睦よぉ…」
耳に歯を立て
強めの刺激を与えながら
私の名前を呼び…
あぁ、核心に、迫るつもり…