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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜





更に笑みを深めて
私の方へ顔を向けた。

女性とも取れる中性的な顔立ち。
真っ黒い髪はツヤやかで…
なんて優しそうに笑うんだろう。
そう、思っていたのに…。

「兄上が愛でられるのに
私の意見など必要ありません」

至って温厚な態度。
声も、言葉も、湛える笑顔も
全てがもの柔らかく穏やかだ。
天元が動なら、彼は間違いなく静…

兄上、と言った…

そうだ…
小さい弟…という昔話をしていたっけ。
弟…王様の隣にいるあの男が……?

私の視線を感じたのか、
その男がパッとこちらを見て
ゆったりと笑った…
ハッとして、慌てて笑顔を返すが…

心臓の音がうるさい。
息ってどうやってするんだっけ。

普通にしようとすればするほど
どうしたらいいかわからなくなる。

気づいた事に気づかれてはいけない。
絶対に。
身体中の血が沸騰したかのようだ。

だめよ、落ち着かなきゃ。
気づかれる。
気取られる。

こっそり慌てている所に
私の手を握り直した天元が

「じゃ異論はねぇってことで。
今日はこのまま休んでいいか?」

睦との愛の確認もまだだし…
と、そこはさすがに小声で
私にしか聞こえないように言った。

この場を立ち去ろうとしている。
なんて素晴らしいタイミング。
いや、天元の事だ。
私の変化を読んだのかもしれない。

何にせよ解放される。
そう思った途端に
逸る気持ちが抑えられなくなって
彼の手を強く握り返してしまった。

「あぁ、長旅ご苦労だったな。
ふたりでゆっくりするといい」

王様が何を言っているのかもよくわからない。
それでも、
一礼した彼に倣って
反射的にお辞儀をする。
そんな私の手をぐいっと引っ張って
強引に歩き出した。
私はそれについて行くのがやっと。

回らない頭は、
私の感覚のすべてを奪っていく。
真っ直ぐに歩けてる?
どこかおかしくないかな。

入った時には感じなかった
長い長いドアまでの道のり。
私の手を強く握ってくれる、
この優しい温もりだけが頼りだ。
助けを求めるように、
空いた手を彼の腕に絡めた時、
ぎゅうっと力いっぱい抱きしめられて
部屋の外に出たんだという事に気がついた。

「どうしたお前」





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