第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜
なにがどうなっているの…
「そうなんだよ。
あん時はフラれる勢いだったがな、
お前の花のおかげで
今はめっちゃ仲良しだ。ありがとな!」
「わぁ、それなら良かった!
あのお花、男の人を誘惑する時に使うんだよ。
お兄ちゃん、贈り物だって言ってたのに
買ってっちゃうから
ちょっと心配してたんだよ?」
男を、誘惑する…?
年端も行かない少女が
すごい事を言うんだな…。
まぁ商売柄だろうけれど…
そんな事よりも、だ。
「……あー…ジュリ、ちょっとだけ…
ちょっと時間をくれ。説明が必要なようだ」
天元はもう一度、ジュリという女の子の頭を撫でて
ため息と共に立ち上がった。
女の子を安心させる為だろう、
にっこりと微笑んだ後、
怒りと悲しみを隠そうともしない私の手を引き
市場の喧騒から隔離されたような
小さなパティオに連れてきた。
誰もいないのを確認した私は
「どういう事なの⁉︎
どうして否定もせずに認める様な事をしたの?」
止められない思いを即座に吐き出した。
だってあの日携えて来たあの花は
正真正銘、天元が私の為に選んだものだった。
——まぁ曰く付きの代物だったが——
それなのに私は、…
「そんな顔すんなよ。
贈った花の名を答えられなかったのは事実だろ」
「だけど、あのお花は
間違いなく天元が
私の為に選んでくれたものでしょう?」
「…まぁそうなるな」
「じゃあどうして、否定してくれなかったの?
あんなひどい事を言った私はまるで悪人じゃない」
天元は、自分の頭をぽりぽりと掻き
「そんなコトねぇわ。
睦は静かではあったが逆上してた。
あん時に俺が否定してたとして、
…冷静じゃねぇお前は受け入れやしなかったろ?」
「…ゔ…それは…」
彼の言う通りかもしれない。
でも、
「でも…私は天元を
悪者みたいな言い方しちゃったのに…」
「俺が自ら被ったんだよ。
お前のせいじゃねぇから」
「そんなこと言われても…」
申し訳ない気持ちは拭えない。
「真実を、話してほしかった…」
俯く私の頭を抱え込むようにした天元は
身をかがめて覗き込み、
「泣くなよ…。真実なんてモノは
その人間の考え次第なんだよ。
俺にとっての真実はそうだったとしても
睦にとっての真実は
そうじゃなかったろ…?」
ほっぺたを擦り寄せてくる。
