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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜





ひしめき合うように軒を連ねる商店。
活気のある風景に、気さくな人たち。
滞在時間はほんの僅かではあったけれど、
とても居心地のいい街だと思ってはいた。

でも、…
私はいろんな国や町を渡り歩いてきたけれど、
一国の王子と
ここまでフレンドリーに接する町の人たちは
初めて見た。

そしてこの人は、堂々と通りの真ん中を行く。
お忍び、では決してない。
しかも私の手を引いて、
あまつさえ歩いているのだ。

城内町とはいえ、面は割れてるし
しかもへつらう者すらいない。
年配の商人は、まるで息子のように扱うし
年若い商人は兄弟のように接している。

立ち寄った果物を売る店の前で立ち止まり
色彩豊かなそれを物色している天元に
ここぞとばかり訊いてみる事にした。

「…顔、隠さないの?」

「顔?隠してどうすんだ?」

あらら…。

「護衛の人とか…」

「そんなモン煩わしいだけだろ。
それに睦と2人きりで居たいの俺は」

「馬とか輿とかは?」

「足があるだろ足が」

「王子様ははー、みたいな、」

私は両手を挙げて
お辞儀をするジェスチャーをして見せる。

「…ぷっ。ここにそんな事するヤツいねぇよ」

さも可笑しそうに声を上げた。

「天元はそれでいいの?
俺様を崇め讃えろとか思わないの?」

「お前、俺のことすげぇ誤解してるだろ」

「…そう、かな…
王子様って偉そうなものじゃないの?」

「偉くもねぇのに偉そうにしてんの、
みっともねぇだろ」

「…偉くないの?」

「お前の言うエラいってなんだ?」

改めてそう訊かれると、
何とも答えづらい…。

「……位が、高いヒト…」

頭をフル回転させても、
出せたのはその程度の答えだった。
今まで私が思っていた王子様像とは
一体なんだったのだろうと思わされる…。

「悪ィんだがなぁ、位なんてモンは
人間が後から勝手に付けたモンで、
正しい俺の評価じゃねぇんだよ。
ただ王サマの息子だってだけで
腑抜けだったらどうしようもねぇだろ?」

ぱっとこちらを振り向いた天元は
殊の外、真面目に語ってくれて、
私はそれにじっと耳を傾けた。

「エラいかエラくねぇかなんてわかんねぇが、
俺はここのヤツらが笑って暮らせりゃそれでいい」


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