第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜
満更でもねぇんだなと…思った、途端、
「待ぁて。逃がさねぇ」
ぎゅうっと抱え寄せていた。
「な、にするの、離してよ…!」
またベッドの中に引き摺り込まれた睦は
忌々しげに俺の腕から逃れようと身をよじる。
「ちゃんと話をしようぜ。
お前の誤解を解きたい」
「誤解してるのはそっちよ…」
「なに…?」
「信用しすぎだって言ってるの!
私の何をわかってるのよ!」
俺の腕から離れられないのを悟り
おとなしくなった途端、いきなり逆上し出す。
身体を諦めた瞬間、
今度は心が俺を拒み出したようだった。
「何の事だ。惚れた女の何を疑えって?」
「私が…っ…わたし…」
声を詰まらせた睦は
やっぱり様子がおかしくて、
…そんな睦を見ていられなくなった。
「わかったから。…悪かったよ。
急に環境が変わったんだ、混乱して当然だよな」
「っ…違う…違うんだよ…」
肩を落とし呆然とした睦が
両手で顔を覆う。
そこに、見慣れない物を見つけた。
あんな指輪、していただろうか…。
だが今はそんな事より
こいつの気持ちを整えてやらねぇと…
「睦、ここにいるのはツラいか?
そんなに俺が嫌いか」
両手で覆ったままの顔を上向かせ
こめかみあたりを濡らす涙を
指先で拭ってやる。
どうしたらこいつが泣き止むか。
胸の痛みを消してやれるか。
そんなこと、俺じゃ無理なのか、と…
柄にもなく自信を無くしかけた時、
「…ツラい…」
追い討ちをかけるように
睦が小さな声を震わせた。
俺の方こそ、胸がズクズク痛んだ。
「そうか…そんなに、ツラいなら、…」
ここから出してやるのがいい。
そう思ったのに…
「…なぁ…どうしても
そばには、いてくれないか…?」
未練がましい事を口にしてしまう。
自分でも、
ここまで睦に執着するとは
思っていなかった。
こんなに泣いている女を、
離してもやれないなんて…
嗚咽を殺して泣く睦を抱き寄せる。
向き合う形。
人ひとり分空けて。
嫌いな男に抱きしめられた所で、
不快なだけだろうな…。
こいつの、安心できる場所になりたかった…。