第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜
「お前が悪い」
「私じゃない!悪いのはお前だ!」
「…チ、」
可愛くない物言いに、
つい舌打ちをしてしまった。
「お前なぁ…。俺の呼び方に気をつけろよ」
俺のことお前なんて呼び方すんのは
国王くらいなもんだ。
「……」
何か悩んでいるのか、
申し訳ないと思ったのか
無言で縮こまる睦。
「もういいから…。
こっち向けよ、ほら」
小さな顎に手をかけこちらを向かせようとしたが
その手をぱしっとはたき落とされて
思い切り拒否される。
今まで、こんなに拒まれた事はなかった。
男もだが、特に女は
みんな俺の言いなりだった。
それで調子に乗っていた時期もあったが、
…今は多少、弁えている、はず。
でも、俺の立場を加算した上で
ここまで拒まれるとは、…
そこまで嫌われているのかと思うと
かなりショックだ。
どうしても振り向かせたい。
俺のことを好きだと言わせたい。
だが、こうやって
枕に顔を押し付けて泣く姿を見てしまうと
どうしてやればいいか…
自我を押し付けてもいいものか。
わがままだと思われても、
自分勝手だと罵られても
俺はお前を好きなんだ。
「こんな、…出逢って間もないのに
好きだと言われても理解できねぇか。
それでも、好きなんだよ」
どんな手でも、ちゃんと伝えるしかねぇ。
なのに睦は、
「…あなたは…私が振り向かないから
欲しくなるだけよ。
手に入らない事が気に食わないだけ…」
涙にむせびながら
そんな悲しい事を言う。
急に女らしくなった睦。
ひどく淋しそうなこいつを
なんとか救ってやりたい…
「そんなふうに思うのか…?
俺だってどうでもいい女を
ここに招いたりしない。
そばに居てもらいたいと心から思ったんだ」
「ウソよ…」
「なんでウソなんだよ」
「……だって…私なんかの何が好きなの?
何にも知らないじゃない」
チラとも振り返らずぼそりと言った。
「知らなくねぇよ。こうして一緒にいるだろう」
「あなたが知ってるのは
私の顔と名前だけでしょう」
「身体も知ってる」
「っ!」
「もっと知りたい」
「ばかっ‼︎」
即座にベッドから飛び降りようとした睦の
斜め後ろから見えた頬が
真っ赤に染まっているのが見えた。