第21章 スルタンコラボ企画 〜睡蓮の昼寝〜
——勝手な事をしたのはあいつの方だ。
そんな言葉が頭を掠める。
そう、確かに、
王子という立場を利用して
私の全てを奪っていった。
だけど……
私の心を、暗くて汚いものが侵蝕していくようだ。
怖くて、左手を見る事ができなかった。
代わりに、あんなに外したかったペンダントを
ぎゅうっと握り締めた。
まるで、お守りに縋るかのように。
もともと眠れなかった私は、
さらに神経まで冴えてしまい
結局眠れたのは
辺りが曙光に染められてからだった。
しかし、さほど長く眠らないうちに
意識は浮上させられた。
「……ぁ…!」
自分が発した声で目が覚めた。
なぜ私が声を発したかなんて…
背中から伸びてきた手が
私の胸を大きく揉み込んでいたからだ。
……
「ちょっ…‼︎」
逞しい腕を目で辿り、
振り返って相手を確認した瞬間、
起き抜けには刺激的すぎる
激しいキスをされる。
息をも奪われるような口づけに
私の頭は混乱するばかり。
でも相変わらず、
胸に当てられた手は
柔らかさを楽しむように
やわやわと揉み続けているし、
たまに頂きをきゅっと摘まれると
脳が痺れるみたいになって…
甘いはずのこの行為。
今の私には苦痛でしかない。
「…ふ、…ん、んん…っん!」
それなのに、勝手に反応する体に
自分でも呆れてしまう。
これ以上どうにかなる前に
やめさせなくては…
委ねてしまいたくなる快感の中、
私は必死に抵抗した。
彼の腕に手をかけ、
もう一方は、少しだけ身を返して胸を押しやる。
力で勝てるなんて思わないけれど、
私の意思くらいは伝わるだろう。
そしてそれが伝われば、
この人ならきっと、…
「…どうした睦?」
止まってくれるに違いなかった。
その優しさに、涙が出そうだ。
「…やなの…離して…」
伏し目がちに言った私を覗き込み、
泣いていない事を確認した彼は
「まだそんな事を言うのか…?
こら、俺が来たら、俺のことを見ろと言ったろ」
優しく諭すような言い方に
私は顔を背けた。
この人は何も知らない。
知らずに私に優しくするの。
一瞬でも、暗殺に加担しようとした私に。