第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.
どうせなら陽当たりのいい場所にいよ。
晴れてるしなー…
何となくそんな事を考えながら
ひらひらと蝶の舞う庭へと向かってみる。
でも、日差しが強い。
木漏れ日程度がちょうどいい。
そう判断した俺は
木の上、ってのもアリだなぁと思っていた。
そうして差し掛かった庭。
鳥の囀りに混じって
喧しい音が聴こえてきたのはその時だ。
「だってほうきだよ⁉︎」
一聞するだけだと
何の話だよと思うようなひと言。
聞き覚えのある声。
関わるのは御免だ。
そう思って引き返そうとした俺の耳に
聞き逃せない言葉が届いた。
「あんなに強かったのに
鍛錬が掃き掃除なんてひどいでしょ⁉︎」
誰の事を言っているのかは明白だ。
あの黄色いの
睦と知り合いだったのか。
「そうか。でも出来る事からしているのは
いい心がけじゃないか」
…もれなく一緒だな。竈門クン。
お前らセットか。
…いや、猪がいねぇな。
「そうだけど!そうだけどさぁ
ほうきを持つのも痛そうだったのにさ…
それを我慢してるのがめちゃくちゃわかるのに
にこにこ笑うんだ…
なんか手伝えることないかなって思うでしょ?」
「でも善逸が焦ったってしょうがないだろう?
櫻井さんはしっかりした人だから
ちゃんとやっていけるよ」
「わかってるよ、そんな事…」
黄色いのは腑に落ちないように
口の中で呟いた。
睦は割と顔が広いようだ。
浅く広く付き合うんだよな。
「だけどさ、」
まだ言うか善逸め。
どんだけ睦の話すんだよ。
行くに行けねぇだろ。
「あの人、何で男のフリなんかするのかな」
バレてるよ睦ちゃん。
鈍臭そうな黄色いのにすら。
「あの柔らかい音は絶対女の子なのに」
「そうだな…。何か深い事情があるんだよ」
あー、竈門にもバレてたよ。
だから言ったろ。
無理があるって…。
「炭治郎知ってたの?」
「知ってた、っていうかわかるよ。
だってすごく柔らかくて優しい匂いがするんだ」
「何その言い方。気持ち悪がられるぞ」