第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.
勘違いを、させているような気がする。
俺が気を引き締める度に
睦は悲しそうな顔をする。
俺は、こと睦を相手にすると
極端に意思が弱まるらしい。
怪我をして落ちてる睦に
付け入るような真似だけはすまいと
あれだけ心に誓ったというのに
楽しそうに笑う姿を見ると
どうしても揺らぐ。
触れたくなる。
可愛がりたくなる。
俺が、慰めてやりたくなる。
だから
触れたくなって可愛がりたくなって
優しくしたくなる瞬間に
俺は自分を戒めるのだ。
その瞬間が、
1番の勘違いの時。
睦が悲しそうにする時だ。
ちゃんと考えろって言ったのに
好きだ
なんて言葉を言ってのける。
いや、考えた結果だったんだろうけど。
でもそれじゃ俺が耐えられなくなるだろ。
頼むから、おとなしくしていてもらいたい。
俺が、睦から引いている理由は
もうひとつある。
睦の両親に関してだ。
俺のせいで、失くしたようなものだから。
その事を知った時の
睦を見るのが怖かった。
泣くのかな。
でも、絶望に追い討ちをかける事に
間違いはないだろう。
俺の事を軽蔑するならそれも仕方ない。
だけどそれが理由で泣かせるのだけは
耐えられそうになかった。
だって俺が原因だ。
慰めることすら出来ねぇ。
睦は、親を鬼にやられたから
鬼殺隊に入る決心をしたというのに
その親を失くす原因を作ったのが
鬼殺隊隊士の俺だったなんて
シャレにもならねぇや。
だけどいつまでも隠してるワケにもいかない。
こっちは気づいているというのに
だんまりを決め込んでるんじゃ
まるっきり隠し事をしてる事になる。
ホンモノの悪人みてぇになってくる!
ちゃんと話したい。
でも、
話した後はどうする…
「蝶屋敷、行ってきますね」
そう言って笑った睦は
笑っていながら、泣いているみたいだった。