第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.
もう性格変わって
別人みてぇになってるぞ。
いや…
もともとこうなのか?
よく考えたら、
鬼殺隊の隊士としての睦しか
まともに見たことがない。
自分に厳しく、凛とした姿。
だがその実、いいとこのお嬢さんだ。
こうであってもおかしくはない、のか?
そういえばこいつ
雷の呼吸を…
あら?これはもしや、
俺が押される体制…?
「まぁとりあえずソレを完成させろ」
「話逸らすんですね」
「あのなぁ、お前もちょっと考えろって。
勢いで突き進むんじゃあないの!」
「勢い…がなかったら何も出来ません。
私は、初めて芽生えた感情を
大切にしたいだけなんです」
「大切にしてぇんなら、
もうちょっと自分の中であっためて
育てていくんだよ」
「…こっちが引いてるのに
ゴリ押ししてきた音柱様にだけは
そんなこと言われたくありません」
プイッとそっぽを向き
不機嫌そうに顔をしかめる。
こんな態度、取ったりするのか…
自分を戒めるあの態度もたまらなかったが
こうして自由に振る舞っている姿もまた
可愛らしくていい。
「あー…俺はいいんだよ」
「どうしてですか?」
「えー…」
こんなふうに食いついてくるとは
思いもしなかった。
こいつマジなの?
ついさっきまで、
俺が睦を好きだという事も
疑ってかかっていた。
それなのに何だこれは。
困惑した俺に
「私は…」
睦が口を開いた。
「大切な人を失いました。
その時からずっと1人で、…
うまく出来たのかなんてわからないし
正しかったのかもわからないけど、
私なりにがんばってきたつもりです」
腕の力だけで完成させた握り飯を
ゆっくりと皿の上に置いて
睦は伏し目がちのまま話を続ける。
「すごく、淋しかった。
だけど仲間や恋柱様が私の相手をして下さって
少しずつ楽しい時間が増えて行って…。だけど
そのどれとも違う感情を音柱様がくれた。
信じられなくて、
揶揄われてたらどうしようって思いながら…
もしかしたら、あの日の恋柱様みたいに
自分もなれるのかなって思ったら
すごく嬉しくて、どきどきしました」