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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.






それでも少し迷いを見せる睦の
左手を取り
開かせて
その上に握り飯が作れるくらいの量を乗せた。

「それ、ゆっくり握んな。
回復訓練の代わりだ」

「…これが?」

睦は自分の左手を
ぽかんとして凝視める。

「あぁ、それなら出来そうだろ?」

俺の方に差し出したままだった手を引き戻し
言うことを聞かない右手をお椀型にして
その上に乗せた。

手の感覚を確かめるように
ぎゅ、ぎゅ、と何度も握る。

でもその動きは、
手で握るというよりも
腕に込めた力で押し付けるようだった。

それでも前に進んだ気がする。

絶望にただ打ちひしがれているだけでは
どうにもならない。
ひと晩かけて、もう充分悲しんだ筈だ。

今度は楽しい事があってもいいだろう。

「お、形になってるじゃねぇの?」

「んー…歪ですね、」

「それ、俺のな」

「えぇ?ご自分で握ったおにぎりの方が
形も綺麗だし…」

睦は手を開き
ちょこんと乗った握り飯を
つまらなそうに眺めた。

「何が楽しくて自分の握り飯食うんだよ。
これは睦にやるから」

大皿に置いてある、
さっき俺が握った飯を指差すと

「ええ!おっきいなぁ…」

もれなくついてくる文句。

いつもの調子が戻って来た

そんな気がしていた。
いい具合だ。

「睦なら食えるだろ」

「大食いは、やめたんですよ」

「知ってる」

即答した俺に
睦は大きく目を見開いた。

「なんで、知ってるんですか…」

「睦には必要ねぇからな」

「どういう事ですか?」

「訊くのかよ。自分でもそう思ったから
大食いすんのやめたんだろ?」

「…はい。強さを身につけるやり方は
人それぞれでした。
真似したって、だめなんですよね…」

「真似から始まる事もあるけどな」

その言葉を聞いた途端、
睦はしかめっ面になっていく。



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