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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.






好き…

そう言われた瞬間、
急に目が醒めたようになり…
おかげで涙も止まったけれど、

音柱様の首元に抱きつかせていた腕をほどいて
密着していた互いの身に
少しだけ距離を作った。

だいたい、
何をしてたの私。


その行動に
フッと笑った音柱様は

「……物思ふと(ものもうと)
わびをる時に 鳴きつつもとな…」

呟くように歌を詠む。

なんの揶揄で
誰の歌かはわからなかった…

「お前の場合は親だな…」

悲しそうに言ってから

「そうやって、泣きたい時には泣け。
素直になってもいいんだよ」

そうだ…
泣いていた。
この人の前で、当たり前みたいに。

…よく泣けた。
いつもなら
泣くもんかと必死で堪えるところだ。
1人きりの時だって
我慢するというのに。

恥ずかしいとかよりも、
こんな事があるものなのかと
もう自分に感心していた。

「でも、」

音柱様は
離れた分の距離をきっちり埋め
私をキュッと閉じ込める。

「それが俺の前だけだったらいいな…」

………

「は…?」

「ンな顔すんなよ。ほんの希望だろ」

したくもなる。
どうせまたおちょくっているのだ。

私はこの人を両手放しで信じるつもりはない。


さっきのは…
さっき抱きついてしまったのは、
アレだ。
気持ちが弱っていたのだ。
それだけ。


そうやって
私は自分を保とうとするのに、
いつも仕掛けて来るような行動は一向に訪れず
ホッとしたような…
淋しいような…?


…淋しいってなんだ!


「あの、」

「んー」

のんびりと訊き返す音柱様は
私を膝の上に乗っけたまま
両手を畳に突いて上体を反らした。

不意に解放された私は
何とも言えない孤独を……感じたような…

「…やり直しってわけじゃないんですけど
朝ごはんを、作らせて頂けませんか」

昨日の夕飯を飛ばしてしまった。
私が作るはずだったごはん。

現実に押し潰されて
それどころではなくなった。
…ちゃんと、やり直したい。

「いやー…」

音柱様は天を見上げ
うぅんと唸る。


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