第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.
果たしてアレが
本気なのか揶揄いなのか、
恋愛の経験なんか皆無の私に
わかろうはずもない。
ただどちらであろうと
どうしたらいいのかわからない事に
変わりはなかった。
「素敵ねぇ、どこかで誰かが
自分の事を想ってくれているなんて…!」
恋柱様はすっかり陶酔しきっている。
だけど私は、素直に喜ぶことなんか出来ない。
浮かない顔をしている私に
「…どうしたの?」
恋柱様は不思議顔で首を傾げた。
どうしよう…
相談してみようか。
恋のことなんかまったくわからない私が
ぐるぐる考えているよりも、
相談した方が楽になれるだろうか…
なんと言っても目の前にいるこの人は、
恋柱、なのだから。
「…よく、わからなくて…」
「何が?」
「そんなふうに言われるのが初めてなんです。
どうすればいいのかわからないし…。
何より私なんか…
もしかしたら
揶揄われてるだけなのかもしれません」
考えても答えの出ないこと。
それを私は、あの日からずうっと考えていた。
もし鵜呑みにして、
そんな事あるわけねぇだろって
あのいつもの調子で言われでもしたら
私はもうきっと立ち直れなくなる。
少しでも信じた私がバカだったと
自分を責めるような事態になる事だけは
どうしても避けたいのだ。
「弥彦くん、」
「っ、はい!」
優しく呼ばれて、
私はパッと顔を上げる。
すると恋柱様の優しい微笑みとぶつかった。
女の私から見ても
見惚れてしまうほど美しい笑み…
「弥彦くんは、自分に自信がないのね…」
恋柱様は
どこか懐かしむような目をしてから、
「大丈夫よ!そんなふうに、
人の心を弄ぶ悪いやつは
この鬼殺隊にはいないわ!それに、
万が一、いたとしたら
この甘露寺蜜璃がお仕置きしちゃうんだから!」
拳を振り回し
鼻息も荒く大きな声を上げる恋柱様。
その恋柱様が私の為に怒ってくれると言う…
それだけで、大丈夫な気がしてくる。
心強い味方がついていてくれるかと思うと
それだけでもう、充分だ。
「…ありがとうございます!
恋柱様のおかげで、
ちょっと心が軽くなりました」