第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.
「……なぁほんとに気づかねぇの?」
……⁉︎
何に⁉︎
何に気づけていないの私…!
「お前、頭キレるくせに
そういうとこ抜けてんだな…
まぁそこが可愛いんだけどな」
抜けてる⁉︎
そんなこと初めて言われた。
いつもしっかりしてるって褒められていたのに!
待って、可愛いって言わなかった?
いろんな情報が交錯して
私はもうわけがわからなくなった。
名前…
抜けてる、
可愛い…
あぁああ、治まったはずの目眩が…!
「こら、楽にしろ。
こんな調子じゃあ、
ほんとに胡蝶んとこ連れてくぞ?」
「(それは、困ります…!)」
「なんでよ?」
「(えぇ、だってそれは…
蟲柱様に私が女だってバレ、て……)」
言いながら、私はある事に気がついて、
自分が今、何を着ているのかを確認した。
肌触りのいい真っ白な
寝巻きとでも言うのだろうか?
そして、まっったく気にも留めなかったが
締め付けがなく、
ふっくらとした胸元……
いや、もう蟲柱様とかじゃなくて。
音柱様にバレてるんじゃ…⁉︎
バッと勢いよく顔を上げた私を
可笑しそうに見下ろして、
「やっと気づいたか」
大きな掌で私の頬をぽんぽんする。
「まぁお前が女だって事は、
ずっと知ってたけどな」
「⁉︎」
「見りゃわかるだろ。
気づかねぇ他がおかしいんだよ」
私は咄嗟に、
襟の合わせを掻き寄せた。
それを見た音柱様は、
困ったように眉を下げる。
「悪ィな…嫁入り前の娘のカラダを…。
その傷、1日に何度もガーゼ変えてやらねぇと
ならなかったんだ。爛れが酷くてな、
薬もぬってやらなきゃならなかったし…」
「(えッ⁉︎)」
見たの…⁉︎むね、を…⁉︎
いや、傷の位置を考えれば当たり前だ。
あの日着せてもらった着物と帯と、
胸を隠すためのサラシもろとも
私は鬼に切られてしまったのだから。
でもそれを考えただけで
顔に熱が集まっていく。
羞恥で目に涙が浮かんだ。
「悪かった。でもな、
誓って、おかしな目で見たりしてねぇよ。
飽くまで、治療目的だ」