第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.
その睦が見せるこんな小さな仕種に
頼られているような気になって、
擁護欲というか庇護欲というか…
そういうものがいっぺんに吹き出した。
儚く、なのに凛と強く、
そんな睦が
手折られそうになっているのを
黙って見過ごすことなんか
俺には出来ない事らしい。
弱々しい力が俺を求めている
そうやってお前が俺を必要とするなら
応えてやりたいと思ってるよ
どうか、
ここにいて欲しい
ある日突然両親を失った私が
なんどもなんども
心の中で繰り返した言葉だった。
常に両親に向けていた筈の言葉を
他人同然だと思っていた人に向けてしまった。
弱っていたとはいえ
まさかあんな事を言ってしまうとは…
目を刺激する光に誘われるように
瞼を開こうとしたけれど、
ほんの数ミリの所でまた閉じる。
眩しくて…
瞼が重たくて動かせないことも
手伝っているかもしれない。
瞼だけじゃ、ないや…
身体も、何もかも重たいよ…
なんだか柔らかくて
上等な布団に寝かせてもらっているなぁ
もしかしたら
話には聞く
極楽
て所なのかもしれない
ふわふわの布団、じゃなくて
ふわふわの雲、だったりして。
…てことは、
もしかして
お父さんとお母さんに会えたりするのかな。
この目が開けられて、
この身体を動かせるようになったら
2人を探しに行ってみよう…
………身体中痛いのは、
神様は治しては下さらないのかしら。
極楽なのに。
さわさわと
優しい葉擦れの音がする。
それと一緒に、私の頬を風が撫でて行く。
気持ちいいな…
でも、深い呼吸が出来ないんだ。
大きく息を吸い込むと、傷が痛む。
ちょっと苦しいよ神様…
そんな事を考えているうちに、
意識がはっきりしてきて
自分の手の中に何かがある事に気がついた。
いや、何かがある、というよりも
私が何かを握っていると言った方が正しそうだ。