第49章 .☆.。.:..期待:*・°☆.
そりゃもう
勢いで口づけなんかしちまうくらいな…。
昼間に甘露寺の着物姿を見て、
ひどく羨ましそうにしていたから
鬼にかこつけて着せてやろうかなんて
甘っちょろい事を考えちまうくらいな……
もっと言えば
した事もねぇ化粧だって施してやろうって
余計な事ばっか考えついちまったりとか…
隊士として貢献できねぇのなら
とっとと郷へ帰んなとか
意地の悪ィことを言って、
これ以上、階級を上げられねぇように
わざと追い出そうとしちまうくらいな………
…あれ、もしかして俺
わりと前から
睦のこと気になってたのか…?
そんな事にも気づけねぇほど、
睦の事を…
今更そんな事に気づいて
どうすんの俺。
俺の下で泣き続ける
睦の髪を撫で付けながら
「ごめんな…もう泣くな。
傷も痛むだろう、ゆっくり休め」
額に口唇を押しあてる。
こんな睦の唇を奪うなんて
もうそんな気は起きなかった。
覆い被せていた身体を
ゆっくりと起こそうと布団に手を突く。
なのに、
俺の耳元にある小さな手が
この髪を掴んで離さない。
小さな力だ。
少し引っ張れば簡単に抜ける。
だけど、
睦の想いの強さがそこにはあった。
それは、俺の勘違いなんかじゃ
きっとなかったはずで…。
「睦、もう休むんだよ」
だけど、ちゃんと休むのが最優先だ。
こいつは今、きっと興奮しているから
痛みもあまり感じていねぇんだろうが
身体にとっちゃ、かなりの負担になっている筈。
「ほら、」
俺の髪を掴む手に自分のそれを重ねると
「…ぃや、」
動かしにくそうに、首を何度も振った。
「こら動くな!」
「いや、」
「なに…?」
いやだと言う睦は
再び涙を零しながら必死に訴える。
「ひとり、はいやだ…もう、いや…」
「おい睦…」
何だか様子がおかしい。
「こわい、よ…たすけ……」
真っ青な顔をして
身体は突然カタカタと震え出す。