第48章 .☆.。.:..卒業*・°☆.
「…はやっ」
時計の針は8時37分を差している。
もしかしてまた体調が悪いのかと
睦の顔を確認するが、
青くもなければ白くもない。
スキンケア直後だからなのか
むしろ色ツヤは最高だった。
…その割には…
なんだろうな、この違和感は。
「うん、お腹いっぱいになったからかな…
すごく眠くて」
「あぁ…そっか。
全部食ったもんな。腹大丈夫か?」
俺が訊き返すと
睦はふわーっと笑い
「全然大丈夫」
そう言い残してベッドルームへと入っていった。
俺に声をかけてから
最後のひと言を言い終わるまでの1度も、
俺と目を合わせる事もなかった…
顔はこっちを向いているのに
目が、俺を見ていない。
違和感が残るのも当然だろう。
やっぱりさっき、
俺は間違えたのだ。
睦のあれは
間違いなく、本気だった。
なら、
守るはずが、傷つけていたんじゃないのか。
きっと渾身の想いを込めただろう。
自己表現の苦手なはすの睦が…
なんて、
こんなとこでいつまでも考えてる場合か!
俺はソファから立ち上がると
そのまま睦に向かった。
音を殺してドアを閉めた。
ベッドの上には小さな影。
小さなルームライトひとつの灯りが
それをオレンジ色に照らしていた。
「……睦?」
ベッドの縁に膝を乗せると
ギッと軋む音。
こちらに背を向け、
自分が持ってきたブランケットを
ぐるぐるに巻きつけている睦。
ここに来てから5分と経っていない。
いくら眠たかったからといって、
まさかまだ寝てはいないだろう…
でも返事はない。
という事はだ。
やっぱり、傷つけたよな。
俺とは話したくねぇか。
そう言われても仕方ない状況だ。
細い肩に手を伸ばした時、
小さく息を詰めている事に気がついた。
あーあ…
「睦、ごめん。
さっきの、もっかいやり直させてくれねぇかな」