第48章 .☆.。.:..卒業*・°☆.
「親からも卒業、ってか」
先生はくすりと笑って
「睦、ちょっといいか?」
一応断りを入れてから、
それでも返事は待たずに
その場にどんと座ってしまった。
後ろから抱きしめられていた私は
それについて行くしかなくて…
先生の膝の上に、否応なく座らされる。
「先生…!」
「いいから。そのままいろ」
胡座をかいた片膝に
少し斜め向きに座る私は
先生にピシャリと言われて
そのまま動けなくなった。
「なぁ、俺のこと、好きだよな?」
「へ⁉︎」
何かしら話をするんだろうなとは思っていた。
そのつもりで身構えていたつもりだ。
だけどまさか、いきなりそんな…?
「悪ィ。まどろっこしいのは苦手なんだ。
もどかしいから必要な事だけ話すぞ」
「ん…」
更なる覚悟が必要だと、
そういう事だな。
「こっからはオフザケ一切なしで。
照れてもいいが…本当の事をちゃんと言え。
腹割って話すつもりだ、わかったか?」
「…うん、」
「よし」
先生はひと呼吸置いてから
真剣に目を見開いた。
「その前にぃ…」
「えぇ…?」
めいっぱい緊張していた私は
思い切り肩の力を抜く。
だってあんな、クソ真面目にしてたくせに…
こっそり睨みつける私に気づかないフリで
「卒業祝いだ」
先生は小さな箱を取り出した。
……デジャブ?
前にもこんな事があったような?
「ありがとう……前にも、もらったかな?」
「それとはまた違ったモンかもしれねぇな」
はい、と掌に乗せられる。
私でも知ってる。
このライトブルーのパッケージ。
卒業祝いにしては、高価すぎないかな。
箱と先生の顔を見比べていると
「早く開けろよ。中身が腐る」
そんな事を言って私を急かした。
腐るようなものじゃない事は明白だ。
「そこまで高くねぇよ。
申し訳ねぇけど新古なんだ」
「…新古?」
先生が?
「新品しか買わないイメージ…」
「あぁ、それが望ましいんだがな。
仕方ねぇだろ、ソレもう廃盤なんだ。
でも睦に贈るのは
どうしてもそれが良かったんだよ」
「そう、…」
私はライトブルーの箱に目を落とす。