第48章 .☆.。.:..卒業*・°☆.
「ほんとにー?ならやっぱり、
入って来ようかなぁ…」
お風呂でアイスとか、なんて贅沢。
温泉とかで、
まぁるいお盆に徳利とお猪口を乗せて
お酒を飲む、みたいな絵をよく見るけれど、
そんな感じ。
お風呂で何かを食すのって特別感があっていい。
回れ右をさせられたために
私の身体はお風呂の方を向いている。
そのまま歩を進めた時、
「やっぱやーめた」
先生の声が追いかけてきて…
後ろから伸びてきた腕が
がしっと私を捕まえた。
同時に頬同士を擦り寄せて来て
「行かせてやんね」
ニヤリとしたのがわかるように言う。
急な行為に
一気に全身の熱が上がった。
「…ちょ、っと!自分が言ったくせに!」
慌てすぎて、大した反抗もできない私。
でもさすが
先生は余裕綽々だ。
憎らしいな。
「風呂なんかに籠られたら俺が淋しいだろ。
だからこうしてよ」
…こうしてよ、って!
「わかった、から…離して…」
「離す?なんで」
「なんで?なんでって…近いから…?」
「近い?近いとダメなのかよ?」
「ダ…」
質問合戦みたいな会話は
私が言葉を詰まらせた事で終わった。
ダメじゃない、って
言えなかった…
言ったら、余計に離れてくれなくなる。
でも、言わなくても離れないな…
「先生…、」
「ダメ?」
先生はすりすりと頬を擦り付けて
うっとりと囁いた。
答えろと言われている気分だ。
「……」
どうしたものか。
はっきり言ったらどうなるかな?
…その方が、喜ぶんだろうな…
好きな人を喜ばせるのって
自分も、嬉しくなってしまいそうだけど。
「ダメじゃない…。先生あったかい」
「俺であったまった方がいい?」
「…うん…」
温かさを求めて自然と寄り添ってしまう。
だって、お風呂なんかより
先生の方が全然いいと思わない…?
「マジか」
「…マジだ」
「お前最近ほんと素直な」
「…素直でもいい?」
「いい。可愛い」
「…可愛いって言わないで」