第48章 .☆.。.:..卒業*・°☆.
睦の、
俺に対する恐怖が、
完全に拭い去られているような気がする。
それは、さっき裏庭で
睦にキスをした時に感じていた。
恐れとは違う、甘いもの。
その前にした『先生は私の』発言からも
それは感じ取ってはいたものの…。
睦がなぜそうなったかって、
そりゃ正面から向き合って
ちゃんと胸の内を明かしあったからだろう。
俺が余計な事を言ったせいで
大きな恐怖を植え付けていた。
まさか睦の中で
そんな事になっていたとはつゆ知らず
可哀想なことをしたと
深く反省しているところだ。
身体はオトナでも、
心はてんで未熟。
そこが可愛い所でもあるけれど、
『卒業式の日に』なんて
ある意味脅しだった。
追い詰める意味で言ったワケじゃなかったのに…
かわいそうな事をした。
あんなに恐れていたのに
俺に嫌われまいと受け入れようとして。
そうそう、いいんだよ。
例えば身体の繋がりがなくたって
俺が睦をそばに置いておきたい事に
変わりはねぇから。
こうやって、
俺に笑顔を向けながら
楽しくすごしてくれるなら
何も言う事はない。
…ただこれが一生、となると
耐える自信はねぇな…
どっかしらで覚悟を決めて
俺を受け入れてもらいたい所だ。
こっちとしても、背中を抱きしめる程度、
他に触れるのを意識的に避け、
睦を怖がらせないよう
気ィ張ってるワケで…。
いや、さっきはちょっと危うかったけど。
…キスであんな声聞かされちゃあなぁ…
そんな事をせず
好きなように出来たらどれだけいいかって、
どうにも邪な考えが頭ん中を支配するけど
俺は睦を笑わせてやりてぇ一心で
一緒に暮らしてるワケだから。
「先生のホットケーキおいしいねぇ」
ほら、こんな無邪気な笑顔な。
可愛すぎて眩暈がすらぁ。
「そりゃよかったな」
つられてこっちも笑えてくる。
それにしても、
「そんなに好きかね」
「大好き!」
…それ、俺にも言ってくれねぇかなぁ