• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第48章 .☆.。.:..卒業*・°☆.






「先生、最後くらい写真撮らせて!」

…そんな悲鳴にも似た声が
私の背中にぶち当たった。

ハッとして振り返ると
数人の女の子たちが、このスピードに迫る勢いで
追いかけて来るのが目に入った。

あれは…
バレンタインの時、
先生にめちゃくちゃ突っかかっていた子…

「あッ!あんたやっぱり…!」

ひぃい…‼︎

その子は振り返った私の顔を見た途端、
鬼の形相でスピードを上げて来た。

そうだ、あの時も目敏かった。
私が持っていたのがチョコレートじゃなく
お弁当だった事にいち早く気がついて
先生に文句をつけたっけ。

「こわいこわいこわい…‼︎」

私は瞬時に前を向き
必死になって先生を追う。

「だろ?だからもっと早く走れ」

「だろ、じゃなくて!
写真くらい、撮ってあげれば…⁉︎」

「俺の肖像権は睦にのみ帰属する」

ケラケラと楽しそうに笑い、
先生はぐんぐんスピードを上げた。
その流れる景色といったら
自転車に乗るソレよりも速いと思う…

ビュンビュン過ぎていく視界に
何もかもがついていけない。

「ちょっと!もうムリだから…!」

四肢がばらばらになりそうだ。
絶対におかしいってこの速さ!

その重たい体を
どうやったらそこまで素早く動かせるの。

あちこちに設置されている倉庫や
温室の死角に入り、
確実に彼女たちとの距離を伸ばしていた。

普段、大した運動もしない私には
かなりの重労働だ。
引っ張られているから何とか動くけれど、
この脚はもういう事をきかない。

もう限界だと、そう思った時、
ぼふっと顔が何かにぶつかった。
その勢いは、私の鼻の頭が潰れる程度。

「うぅー…」

結構いたい。
呻く程度には。

「おつー」

私に覆い被さるようにして
先生はぎゅうっと抱きしめてくれた。

珍しく激しい運動をしたために
乱れに乱れた呼吸。
先生に塞がれるのを避けるために
顔を真上に向けて
必死に酸素を取り込んだ。

私がこんなになっているというのに、
先生はくつくつと笑う余裕まである。

「はぁ…はぁ…せんせ、
ジム、とか…行って、る?」

「行ってねぇの、
睦が1番よく知ってるだろ」

それはそうだ。
先生はずっと家にいる。


/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp