第48章 .☆.。.:..卒業*・°☆.
ほらな、大丈夫だったろ?
そんな声が聴こえて来そうだ。
「先生がやった?」
「そう、一緒に出ていけるように」
用意周到、ってヤツですね。
この、全部お膳立てされている状況は、
恐ろしくも心地いい。
私が何かを考えなくてもいい。
用意されている事をすればいい…
私のすることをあなたが決めないで!とか
…いや、親じゃないけど…
よく聞くけど、
私、先生の言うことなら
なんでもホイホイやってしまいそうかも。
私には新鮮すぎてむしろ嬉しいくらい。
これに慣れちゃったら、
いやになったりとかするのかな…
今はまだ想像できないけど。
「ねぇ?」
「んー」
下履に替えてそのまま出ようとする先生に
そういえば、と
疑問が湧いてくる。
「荷物なんにもないの?」
先生の手にカバンはない。
私の手を握っているだけだ。
「ねぇよ」
…ない、なんて事あるのかな。
そう考えていた私に、
「車に乗せっぱなし」
補足をしてくれた。
「必要なモンがあるなら
車に取りに行けばいいだけだし。
…職員室行きたくなかっただけだ」
「取りに戻るのがイヤなの?」
「戻ったら捕まるだろー?
どーでもいー話を
あいつらとぐだぐだすんのも楽しいけどな、
今は睦が最優先なんだよ」
…なんだか申し訳ないような。
「…そんな顔すんなよ」
「え、どんな顔してる?」
私は片手で自分の頬に触れる。
すると先生はチラリと顔をこちらに向けた。
「悪ィ事したなぁって書いてあるぞ」
「お…思ってないし‼︎」
またバレた!
悔しいを通り越して怒りを感じながら
私は口だけでもと思い強く否定した。
…それすらも無駄だとわかっていながら。
「いやいや、思ってたね。
そう書いてあんの、ココに」
自分で触れた頬の辺りを
先生が人差し指で優しくつつく。
「お前が居なきゃ、
今頃俺は不死川たちと楽しくやってたのになぁ?
でも睦がいたんだよ。いたの。
あいつらと睦は比べられるモンじゃねぇけど
今日の主役は間違いなくお前だから
そこを譲るつもりはねぇよ」