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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第48章 .☆.。.:..卒業*・°☆.





「泣かせようとしないでくれる?
せっかく泣かずに堪えてたのに」

「あれ、なに?式で泣きそうだったのか?」

「だって隣の子がすっごく泣いてたから」

「ははっ、つられたワケか」

「何ともなかったはずなのに、
淋しいとか考えちゃうよね」

私はさっきの先生の言葉たちを掻き消すように
大袈裟に笑って見せた。

「そりゃ3年もいたんだ。
淋しくて当然だろ」

「私は別に、何処でもよかったんだよ。
家から離れられる所だったら」

あの地獄から這い出られるのなら
何処でもよかった。

「最初はそうだったんだろうが、
いつのまにか睦にとって
大切な場所に変わってったんだよ」

先生は階段を下りながら
相変わらず嬉しそうにしている。

「…っ何で先生が嬉しそうなの」

私はそれについて行きながら
解せない気持ちでいっぱいだった。

「そりゃ、睦に大切なモンが増えりゃ
嬉しいに決まってる。
お前が笑ってる方がいいからな」

私の事を、自分の事のように語る。
自然にそんな事をされたら
いくら私でも喜ばないわけがない。

「ありがと…私先生でほんとによかった」

そんなふうに感謝の想いでいっぱいになった。

「そりゃどーも。俺も全く同じ気持ちだね」

先生の優しい気持ちが
私にまで感染して
今まで抱えていた不安や悲哀が、
どんどん溶けていく。

ここまで胸のつかえが取れるなんて…
ウソのようだ。
宇髄先生はタダモノじゃないと思った。


1階に辿り着き、
先生はそのまま教員用の靴箱へと向かう。

「先生、私靴こっちじゃないよ」

慌てて昇降口の方を指差すけれど
先生は余裕の笑みで

「こっちでいいんだよ」

くいくいと私を引っ張った。

多分私、この先もこうやって
先生について行ってしまうんだろうな。
私、押しに弱かったかしら…
相手がこの人だからかな。

そんな予感が頭を掠めた時、
教員の出入り口に
私の靴がきちんと並べられているのが見えた。


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