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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第48章 .☆.。.:..卒業*・°☆.





「窓閉めるとかカギかけるとかないの?」

「俺今日はお当番さんじゃねぇの」

「ふふ、…」

先生と仲良しさんになった経緯を思い出し
私はちょっと可笑しくなった。

つい昨日の話みたいだ。

「あの日、先生がお当番さんじゃなかったら
こんなふうに笑っていられなかったよね」

「あー…そうかもしれねぇな」

「絶対そうだよ。
先生に見つけてもらってよかった」

「そう思ってもらえて俺もよかった」

満足そうに何度も頷いて、
先生は私の手を引いて歩き出す。

「ほんとに帰るの?」

「帰るって」

「絶対にまだ仕事あるでしょ」

「いいんだよ。
もともと今日は早くあがるって
申請してあるんだから」

「そうなの?なんで」

「睦にホットケーキ食わせなきゃならねぇからだよ」

「なんでよ、ウソばっかり!」

「いや、もう前からわかってた。
卒業式の後、ホットケーキ食いてぇって
言うだろうなー。だから早く帰らなきゃなって
わかってたんだ」

「ふふ、よくそんなテキトーな事が言えるよね」

つい笑ってしまった事で
気を良くしたのか
先生は嬉しそうにしてから
私が隣に並ぶくらい手を引っ張った。

「そりゃ、せっかくの晴れの日に
1人で家に帰らせるワケにはいかねぇだろ?
一緒に卒業祝ってやれんの、
俺しかいねぇんだから」

「なに、…ソレ」

さっきまでのおふざけは何処へやら。
にこにこと穏やかに微笑みながらも
先生は真面目な受け応えをする。

「睦、一緒に、帰ろうな」

「……」

言葉が継げなかった。

優しい微笑みに。
穏やかなのにはっきりとしたその言葉に。

途方もない愛情を感じて
胸が震えた。


イッショニ、カエル


その言葉が、
私にとってどれほど大きなものか
先生はそれを知っていて
わざと言ったに違いない。


帰る場所を失くした私。
心も身体も、ボロボロになって
たくさんの大切な物を失くした私…

その全てを、
少しずつ取り戻そうとしてくれているのが
ダイレクトに伝わって来た。


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