第44章 .☆.。.:.夏色.。.:*・°☆.
こうなるのが何となくわかっていた。
だからこの人に会いたくなかったのだ。
しかも、昨日の別れ方が最悪だったから、
余計に嫌だった。
会った時に
どんな顔をすればいいのかが
わからなかったから…
彼は、大きな窓の外…
庭をずっと眺めていた。
私はグラスから流れた水滴を指につけて
グルグルかき混ぜて遊んでいた。
お互い、腹の内を探り合っているみたいで、
そんな事をしているこの時間が
ムダなように思えて仕方がない。
お茶でも…、なんて
軽々しく誘うんじゃなかった。
よく考えたら、今は微妙な時だったのに。
だけど……
「なぁ睦ー、」
この人だって、…
「昨日、ごめんな」
目的なく、こんな所まで来るはずがないのだ。
「それ言いに来たの?」
あ…
なんか、嫌な言い方しちゃったかな…
それでも彼は、フッと笑ってくれて
「そうなんだよなぁ。
そんな事を言いに来たんだ」
可笑しいよな、と
淋しげな瞳で言った。
それなのに、
途方もなくきれいで、
私はつい見惚れてしまい、…
その視線に気がついて振り向いた彼と
目が合った…途端、
私は思い切り目を逸らす。
…しまった。
誤解を、招きかねないというのに…。
そして
「…ごめんな」
やっぱりその通り、誤解をさせた。
申し訳ないのは私の方だ。
「もう、いいの。
あんな事…気にしてない…」
「あんなふうになるの、お前にだけなんだ。
もっと、優しく…できたら、な…とか
思うけど……」
途中から、
不自然にぎこちなくなっていく言葉たちに
私はつい、彼へと目を向ける。
と、
頬を染める彼を見つけて…
なに…その顔…
そんな顔するキャラじゃないじゃん…
胸が、
痛いほどの脈を打ち
両手でそこを押さえた。
さっきとは違う理由で、
この場に居づらくなる。