• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第44章 .☆.。.:.夏色.。.:*・°☆.





私は彼の向かい、床に座って、
同じように麦茶を置いた。

…シンとした室内は、
確かに居心地が悪い。
何か話さなきゃと思えば思うほど
話題は何も浮かんで来なくなった。

「…食わねぇの?」

彼はそう言いながら
自分の目の前に置かれたプリンを
私の方へと押しやる。

「うん。さっき、食べたばっかりだから」

食べない理由としては
それが1番しっくりくるだろう。

食欲がない、なんて言ったら
いたずらに心配させるだけだから。

「そっか。まぁ、昼でも食えるしな」

すんなり騙されてくれた彼は
さほど興味なさげに
プリンを自分の前へと戻した。

「で、何の用?学校サボってまで……」

言いながら、
私は見つけてしまった。

ソファにもたれかけさせてある彼のカバンに
あのハコフグがぶら下がっているのを。

パッと目を逸らし
知らないフリをしようとしたけれど、
目敏い彼がそれに気づかないわけがない。

「……何で帰ったんだ?」

1度登校したのに、帰ったって事…
やっぱり、バレてたよね。

「約束、覚えてたね」

美術室、行ってくれたんだ。

「当たり前だろ。あんな絵、
学校中に曝すワケにゃいかねぇからな」

「へったくそな、絵だもんね」

「まぁな」

何気にひどい事を言いつつも…
声は優しさに満ちている。

そんなの、隠れ蓑に過ぎないよね?
わざと優しくない言い方をするの。
それがあなたの優しさだという事に
私も気づけるようになったよ。

「で?」

頬杖をついて、
少しつまらなそうに彼が問う。

…逃げられそうもないなぁ。

「苦しかったから。
不死川くんにそう伝えたつもりだったけど。
聞かなかったの?」

「ヤツの口からなんか聞きたくねぇ」

「…家の場所は聞いたのに」

彼は掌から頬を少しだけ浮かして、

「それは、また別だろ」

再び、そこに頬を乗せた。

「俺は、……いや、…」

「ん?」

「何でもね…」

彼はぷいと視線を外す。

ほら、この感じ。
これが、すごく苦手だ。

落ち着かない雰囲気。
浮ついた感情と
どっちつかずな態度と…


/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp