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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第44章 .☆.。.:.夏色.。.:*・°☆.






どう考えても、
頭に血が上った俺が悪ィのに。

全然言葉が出てこなかった。
自分があんなに混乱するとは思わなかった。
優しく出来ないなんて、思わなかった。

いつでも余裕があって
大きく構えていられる自信があったのに
全部打ち砕かれたのだ。

どんだけダメなヤツだよ…


あんな、
怒ったような、泣きそうなような顔させて
今日どんな顔して会えばいいんだか…

それでも俺は、
睦との約束のために
いの1番に美術室へと向かっていた。

あいつの描いた絵を
回収するために。

さすがにもう、絵の具も乾いたろう。

あいつの描いた、ヘッタクソな絵が
他の生徒ないし教師に見られる前に
俺が回収してやる約束だ。

校内はまだ誰もいない。
教師だって、まだ数人しかいねぇ時間だから
誰も見てはいないはず。

金曜の放課後、
帰った時のまま
美術室の真ん中に置いてあるイーゼル。

向こうを向いている正面に回り込んだ俺は
見慣れないものをそこに見つけた。

イーゼルの中軸に引っ掛けられた
ぬいぐるみのキーチェーン…

ひと目見て、
そいつが何者なのかがわかってしまった。

黄色いボディ。
黒い斑点。
四角いフォルム…

あの施設の水槽で見た、
ハコフグだ。
俺の指がやけに気に入っていたあの…。

俺に、くれるって事?
なんで?
こんなモノ俺に押し付けんのは
あいつしかいねぇ。

中軸からボールチェーンを抜き去り
掌に乗せて眺める…

『ちっちゃくて可愛いでしょ?』
そう言って笑った睦の顔が浮かぶ。

これ、俺にくれるって事でいいのか?

「……」

どう考えても、
あいつが欲しがりそうな気がするけど。

そう思った時、
キャンバスの左上に
5センチ角の付箋を見つけた。
桜柄のその付箋には
小さな文字で、
『キャンバスありがとうございました』
と、書いてあった。

…あー…
そういう事か…


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